パグの寿命は平均12〜15歳|長生きのコツと注意すべき病気を完全解説

小型犬ながら体格がしっかりとしているパグ。

実は犬の寿命は体格が大きく影響すると言われており、大型犬よりも小型犬の方が長生きする傾向にあります。

パグは小型犬のため、平均寿命は他の大きさの犬種に比べて長めの『14.2歳』です。

この記事では、平均寿命を超えて長生きしたパグの実例や愛犬に長生きしてもらうための育て方をお伝えします。

長く一緒に過ごすために必要な健康管理はしっかり覚えておいてくださいね。

パグの平均寿命は12〜15歳人間に例えると約68〜80歳

大きさ超小型犬小型犬中型犬大型犬超大型犬
体重5kg以下5〜10kg10〜20kg20〜40kg40kg以上
平均寿命13.8歳14.2歳13.6歳12.5歳10.6歳

2015年にペット保険のアニコムと東京大学が合同で調査した大きさ別の平均寿命を見ると、1番平均寿命が長いのは小型の犬種で、14.2歳です。

パグは小型の犬種に含まれていて、パグの平均寿命もおよそ12〜15歳とされています。

80年以上生きる人間と比べるとどうしても短い命に感じてしまいますが、実はパグの寿命を人間に例えると『68〜80歳』と、長生きな方なんです

ただしこれはあくまでも目安で、もっと長生きする個体もいます。

実際に平均寿命を超えて長生きしたパグがいないか探して見ると、なんと『19歳(人間だと98〜100歳)』まで生きたパグを見つけました。2011年に札幌市から表彰もされています。

19歳のパグ→よしださんちのパグかけごはん 2011.9.29

そしてもっと調べてみると『20歳(人間だと100〜105歳)』のパグもいました

ギネス登録を狙えるのでは?と思えるほど長生きですね(現在パグのギネス登録データはなかったですが、犬のギネス記録は29歳だそうですすごい…)

パグに長生きしてもらうための5つのコツ

  1. 肥満にならないための適切な食事管理
  2. 1日1回20〜30分程度の散歩
  3. こまめなお手入れやブラッシング
  4. 週2〜3回以上のデンタルケア
  5. 定期的な健康診断

実際に長生きしているパグがいることを知ると自分の愛犬も長生きできる可能性があるのでは?と希望が持てますよね。

愛犬に長生きしてもらうためにも上記の5つの健康管理はしっかり行ってあげましょう。

1.肥満にならないための適切な食事管理

肥満にならないための食事管理

パグに長生きしてもらうための1つ目のポイントは、肥満にならないための適切な食事管理です。

パグは食欲旺盛で太りやすく、体重の管理が難しい犬種といわれています。

そのため、ライフステージ(子犬、成犬、シニア)に合わせて食事の種類や量を調節することが大切です。

パグのライフステージ別の詳しい食事管理については『パグの適正体重は6kg~8㎏生後3ヶ月~1年の平均体重と体重管理のコツを解説』で解説しています。

子犬の頃は成犬に比べ多くの栄養素が必要になるため、子犬用のドッグフードには成犬用のドッグフードと比べて、タンパク質や脂質、ミネラルなどが豊富に含まれています。

しかし、これらを1度に多く与えすぎてしまうと肥満の原因になるので要注意…

子犬期は成長も著しく、消化器官がまだしっかりしていないので、1日分の量を3〜4回に分けて少しづつ与えることがポイントです。

成犬期になると体もガッチリとし消化器官も整ってくるので、ご飯の回数は1日2回に減らしていきます。

太りすぎてしまった場合は、ダイエット用のドッグフードを活用しながら調整してあげてください。

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食べるのが大好きで食欲旺盛と言われるパグ。パグの飼い主にとって、体重管理は悩みのタネの1つです。 あまりにも美味しそうに…

2.1日1回20〜30分程度の散歩

1日1回20〜30分の散歩

パグはもともと気温の変化に弱く、持久力が低い性質があるため、それほど運動量を必要としない犬種です。

ただ一方で太りやすいという特徴もあるため、肥満にならないよう”適度な”運動を取り入れてあげましょう

子犬であれば1日15分程度、成犬は1日20分〜30分程度のお散歩が目安です。

天気がすぐれない日はおうち遊びで運動するのもおすすめ。

夏場の暑い日や日が高い時間帯はできるだけ避けるようにしてください。

3.こまめなお手入れやブラッシング

こまめなお手入れやブラッシング

パグは顔が顔がくしゃっとしていてシワがあるのが特徴です。

その特徴が可愛らしい反面、お手入れを怠ると顔のシワに皮脂や埃などが溜まり、悪臭や病気の原因になります。

そのため、こまめなお手入れやブラッシングは欠かせません。お手入れのタイミングは、食後やお散歩の後などこまめに行うのが理想です。

忙しい方は少なくとも週1回以上を目安に行ってあげてください。

お手入れの方法は、ペット用のお手入れローションやウエットシートがおすすめです。

コットンや綿棒など柔らかい生地のものをしっかりと湿らせて使い、傷つけないように優しくお手入れしましょう。タオルやガーゼなどの硬い素材はNG

また、パグは抜け毛が多い犬種なのでこまめにブラッシングを行うことも大切です。

顔のお手入れと同じようにパグの皮膚を傷つけないよう優しく丁寧にブラッシングを行いましょう。

4.週2〜3回以上のデンタルケア

週2〜3回以上のデンタルケア

犬も人間と同じようにデンタルケアを怠ると歯周病などの病気につながってしまいます。

歯磨きの頻度は、1日1回が理想的。

歯磨きは嫌がる子も多いため、子犬のころから口元を触ったり犬用の歯ブラシをくわえさせたりと、徐々に慣れさせていくことが大切です。

ただそれでも中には歯磨きを嫌がる犬も多くいます。しかし、ここで飼い主さんが諦めてしまってはいけません

歯磨きが苦手な子のために、犬用のデンタルガムやデンタルフードデンタルトイなど、デンタルケアのための様々なものが売られています。

これらのデンタルケア商品を上手く活用しながらデンタルケアを行なってみてください。ただしデンタルトイは、歯の破折や誤飲事故が起こりやすいため注意が必要です

硬すぎず柔らかすぎないものを選ぶようにしましょう。

5.定期的な健康診断

定期的な健康診断

犬も人間と同じように見た目では病気に気づかないこともあります。

飼い主さんが気づいた頃には病気が進行している場合も少なくありません。

そのため、犬も人間と同じように定期的な健康診断が大切になってきます。

若いほど病気が進行しやすいこともあるため、子犬の頃から年に1回健康診断を行い、シニア世代は半年に1回健康診断を行いましょう。

ワクチン接種などで病院に訪れるタイミングで行うこともおすすめです。

犬は人間と比べて年齢を重ねるスピードが速いため、定期的に健康診断を行い、愛犬の健康を守ってあげてくださいね。

パグがかかりやすい病気についても理解しておこう…

パグは肥満になりやすく、短頭種のため呼吸器系の病気にかかりやすいとされています。

可愛い愛犬の健康を維持するためにも、かかりやすい病気について少しでも知っておきたいところ。

ここではパグがかかりやすい3つの病気と皮膚病について解説します。

パグがかかりやすい3つの病気を解説…

  1. 壊死性髄膜脳炎:えしせいずいまくのうえん(パグ脳炎)
  2. 軟口蓋過長:なんこうがいかちょう
  3. 鼻腔狭窄:びくうきょうさく

それぞれどのような症状が見られる病気なのか解説します。

出典:パティ動物病院

1.壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)

壊死性髄膜脳炎は、マルチーズやヨークシャー・テリアなどにもみられる病気ですが、パグによくみられるため「パグ脳炎」といわれています。

しかし、はっきりとした原因がわかっていないため、治療法がありません。

症状としては、突発的なけいれん発作や歩行困難、失明などがあります。このような症状があらわれたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

病気の進行具合もそれぞれ異なるため、早期発見、早期治療がとても大切です。

出典:動物検診センターキャミック

2.軟口蓋過長:なんこうがいかちょう

軟口蓋過長はパグやブルドッグなどの短頭種に多い呼吸器系の病気です。

口腔の上側の硬い天井部分(軟口蓋)が正常よりも長くなり、空気の通り道が狭くなることで呼吸に障害が出てくることがあります。

先天的な病気のため、予防する方法はありません。避妊・去勢手術で麻酔をかけるときに同時に治療することもありますが、呼吸が荒いいびき食事を飲み込みにくそうにしているなどの症状が表れたら早めに動物病院で診てもらうと安心です。

出典:淀川中央動物病院

3.鼻腔狭窄:びくうきょうさく

鼻腔狭窄も軟口蓋過長と同様に短頭種に多い病気です。呼吸困難を引き起こす可能性のある病気のため、注意が必要です。

寝ているときだけではなく、起きているときにもいびきのような音を出して呼吸したり呼吸が荒くなったりする症状があらわれた場合は動物病院で見てもらいましょう。

先天性の病気のため予防法がありませんが、肥満になると悪化させてしまうことがあるため、体重管理や食事管理を行うことが大切です

また、体温調節が難しくなり、熱中症にもなりやすくなるため注意が必要です。

出典:ひがしやま動物病院

パグがかかりやすい3つの皮膚病について…

  1. アトピー性皮膚炎
  2. アレルギー性皮膚炎
  3. 膿皮症

パグはくしゃっとしたシワが特徴ですが、ホコリや食べカスが溜まりやすく、他の犬種よりも皮膚病になりやすいといわれています。

1.アトピー性皮膚炎

パグは他の犬種よりも皮膚が弱く、遺伝的にも皮膚炎になりやすいです。アトピー性皮膚炎を発症すると、皮膚の赤身や脱毛などが引き起こされます。

アトピー性皮膚炎は「アレルゲン」によって痒みが引き起こされますが、どのアレルゲンが引き起こされるかはワンちゃんによって変わるため、動物病院で検査をすることをおすすめします。

予防は難しいですが、部屋を清潔にしたり、アレルゲンとなるものに接触させないように注意してあげましょう。

出典:しらかば動物病院

2.アレルギー性皮膚炎

パグは皮膚が弱い犬種のため、アトピー性皮膚炎と同じようにアレルギー性皮膚炎を発症することがあります。

アレルギー性皮膚炎は、耳や脇、目、口周りなどに痒みを引き起こします。

カビやハウスダスト、食べ物、ノミ、身の回りのものなど様々なものがアレルゲンとなることで、吸引したり、食べたりすることが原因です。

発症した場合は動物病院で検査を行い、アレルゲンが何かを特定した後、抗ヒスタミンなどによって痒みを抑えます。

痒みが強い場合は、その部分を舐めて悪化させてしまう恐れがあるため、注意しましょう。

出典:四季の森どうぶつクリニック

3.膿皮症

膿皮症は、「黄色ブドウ球菌」や「レンサ球菌」などの細菌に感染することで発症します。人間でいう「トビヒ」と呼ばれる皮膚病です。

皮膚のバリア機能の異常や、免疫力が低下するとより発症しやすくなります。

発症すると、全身に湿疹や痒み、フケなどを引き起こします。特に、脇や顔、指の間に発症しやすい病気です。

症状が悪化すると、痛みや発熱を伴うため、愛犬の症状に注意しましょう。

感染させないためにも、部屋を清潔に保つこと愛犬のケア(ブラッシングやシャンプー)が大切です。

出典:おおた動物病院

まとめ

✔パグは小型犬で、10ヶ月から成犬となる
✔パグの平均寿命は12〜15歳人間の年齢に例えると約68歳〜80歳
✔長生きしてもらうためには適切な食事管理と運動が大切
✔こまめなお手入れやデンタルケアも忘れずに
✔人間と同様、定期的な健康診断に行こう
✔パグがなりやすい病気は呼吸器系や皮膚系。

パグは比較的長生きな犬種とされていますが、より長生きをしてもらうためにも、食事管理や適切な運動、日頃のお手入れは欠かせません。

またパグの特徴から、呼吸器系の病気や皮膚病になりやすいとされているため、定期的な健康診断で病気の早期発見、早期治療を行うことが大切です。

可愛い愛犬のためにも飼い主さんがしっかりと健康管理を行い、元気に長生きしてもらいましょう