20種類以上あると言われるポメラニアンの毛色の中には、2色以上が混ざったものもあります。
その1つが「ウルフセーブル」です。
薄いブラウンに黒の差し色が入ったような色合いで、名前の通りオオカミを思い起こさせますが、どちらかというとタヌキに近いという話も…。
そんな珍しいウルフセーブルについて、特徴や魅力、似合うカット、飼育の注意点などを解説していきます。
ポメラニアンのウルフセーブルの基本情報まとめ
購入しやすさ | △ |
---|---|
平均価格 | 40万~50万円 |
体の特徴 | ・茶色ベースに黒・シルバー・白などが混ざった色 ・子犬~成犬で毛色が変化しやすい |
性格の特徴 | ・人なつこい ・警戒心が強い ・吠え声はやや高め |
似合うカット | ・たぬきカット ・柴犬カット ・ナチュラルスタイル |
注意点 | ・抜け毛が目立ちやすい ・成長途中で色が変わりやすい ・カットの際は色のバランスに要注意 |
ウルフセーブルは、名前の通りオオカミ(ウルフ)を思わせる色に、黒の差し色(セーブル)が入っていることから名づけられたカラーです。
ただ、実際にベースとなっているのは薄い茶色で、そこに黒やシルバー、白などが絶妙なバランスで混ざっている子が多く見られます。
個体差が大きく、同じウルフセーブルでもさまざまな色合いがあるのが特徴です。
ポメラニアンのかわいらしい顔立ちと合わさると、オオカミというよりはたぬきに近い雰囲気があります。
ポメラニアンのウルフセーブルの3つの特徴について
ウルフセーブルの外見と性格の特徴、価格相場などを見ていきましょう。
①独特の色合いが魅力。子犬~成犬で毛色の変化も
ポメラニアンのウルフセーブルは、薄茶ベースに黒の差し色が入ったカラーですが、個体差が大きいです。
全体的に黒が多い子もいれば、上の写真のように茶色が強い子もいます。
また、成長にともなって毛色が変化しやすい点もウルフセーブルの特徴です。
子犬のころは黒っぽかった子が、成犬になると茶色が目立つようになったりします。
中には、オレンジセーブルに近い色合いになる子もいるなど、色の混ざり具合はそれぞれです。
「ウルフっぽい色が残る子と残りにくい子がいる」と言われています。
そんな毛色の変化も含めて成長を楽しみたいですね。
②人なつこい性格。吠え声はやや高め
ポメラニアンは、色による性格の違いはほとんどないと言われています。
そのため、ウルフセーブルも他のカラーと同様、明るく活発で遊び好きな子が多いです。
人なつこくフレンドリーで、飼い主さんにたくさんの愛情表現をしてくれます。
一方、警戒心が強く、来客や物音によく吠える性質も持ちます。
特にウルフセーブルの子は吠える声が高い、という話があるようです。
一般的に、ポメラニアンはマズルが短い方が声が高いと言われています。
ウルフセーブルは、マズルが短めの「たぬき顔」をしている子が多いことから、吠え声が高めと言われているようですね。
③希少カラー。値段は40万~50万が相場
性別 | ブリーダー | ペットショップ |
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オス | 390,000円~450,000円 | 338,800円 |
メス | 433,000円~495,000円 | 該当なし |
※「ブリーダーナビ」「ペットショップCOO&RIKU」の検索結果を参照
ウルフセーブルは、ポメラニアンのカラーの中でも珍しく希少です。
ブリーダーサイトとペットショップのサイトでそれぞれ検索してみましたが、どちらも全部で10頭未満しかヒットしませんでした。
価格は、ペットショップの方が少し安くて30万円~、ブリーダーでは40万円~50万円が相場です。
他の色と比べてものすごく高額というわけではありませんが、オレンジなどに比べると10万円ほど高い可能性があります。
小さなペットショップではウルフセーブルを見かける機会が少ないため、できればポメラニアン専門のブリーダーを中心に探すのがおすすめです。
あらかじめ希望を伝えておくと、ウルフセーブルの子が生まれた時に優先的に連絡をもらえると思います。
ポメラニアンのウルフセーブルに似合うカットを3つ紹介
ポメラニアンはダブルコートの犬種のため、カットは本来必要としませんが、最近はオシャレや暑さ対策のためにサロンに連れて行く飼い主さんが増えています。
ここでは、ポメラニアンのウルフセーブルに似合うカットを3つ厳選しました。
1.たぬきカット【オオカミというよりタヌキ】
ウルフセーブルのポメラニアンにお似合いのカットといえば、たぬきカットは外せません。
顔~首まわりの毛を多めに残した、いかにもたぬきっぽい魅力全開のカットになります。
上の動画の「まめつぶ」くんは、カットをしていないのですが、まさにたぬきカットを思わせるスタイルだったためご紹介しました。
頬の横にふくらみをもたせることで、顔がひし形のようになるのがポイントです。
2.柴犬カット【ぴょこんと突き出た三角お耳がキュート】
一番人気の柴犬カットも、ウルフセーブルに似合います。
顔を丸く、耳を三角にカットするスタイルで、その姿はまさに豆柴のよう。
特に茶色多めのウルフセーブルの子がすると、色合い的に本当の柴犬の子どものように見えてキュートですよ。
上の動画の「コロ助」くんも、お顔が薄茶なので柴犬カットがよく似合いますね。
ただし、本来ポメラニアンはカットを必要としない犬種のため、短く切りすぎると毛が再生しにくくなったり、体温調節ができなくなったりします。
トリマーさんと相談の上、最低限必要な毛量だけは残すことをおすすめします。
3.ナチュラルスタイル【きれいな毛色を楽しみたいなら】
あえて何もカットしないナチュラルスタイルも、ウルフセーブルのポメラニアンにはおすすめです。
というのも、ウルフセーブルは色合いが絶妙なため、カットの仕方によっては「あれ?こんな色だっけ?」という仕上がりになることもあるからです。
今の色合いが気に入っているなら、そのままの姿を楽しむのも一つの方法ですよ。
特にウルフセーブルのワイルドな感じが気に入っている方は、カットしない方が良いでしょう。
そもそもポメラニアンはダブルコートの犬ですので、ムリにカットしなくても年に2回の換毛によって体温調節できますし、紫外線などのダメージからも守られます。
こだわりがないのであれば、そのままのスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか?
ポメラニアンのウルフセーブルを飼う時の注意点
魅力的なウルフセーブルですが、飼うにあたって知っておきたい注意点を3つまとめてみました。
①抜け毛が目立ちやすい
ウルフセーブルは黒の差し色が入っているため、明るい毛色のポメラニアンに比べると抜け毛が目立ちます。
色合いにもよりますが、全体的に黒が多い子の場合、特に抜け毛が目立ちやすいです。
中でも春と秋の換毛期は、飼い主さんの服や家のあちこちにたっぷりと毛が付いてしまうでしょう。
抜け毛を散らかさないためには、毎日の丁寧なブラッシングが大切です。
特に換毛期は、上のオーバーコートをかき分けて、下のアンダーコートをしっかりとブラッシングして余分な毛を取り除きましょう。
また、その時期はなるべく黒やグレーなど、愛犬と同じ色の服を着るようにすると、服に付いた抜け毛が目立ちにくくなりますよ。
②成長途中で毛色が変わる可能性がある
上でもご説明しましたが、ポメラニアンの中でもウルフセーブルは毛色が変化しやすいです。
個体差もありますが、基本的には子犬のころの方が色が濃く、成犬になるにつれて薄まっていきます。
また、ブラウンっぽくなる子、オレンジが強く出てくる子、薄まりすぎてクリームになる子など、本当にそれぞれです。
さらに、成犬になってからも黒が濃くなったり薄くなったりなど、絶えず変化する子もいます。
ですから、将来どんな色になるかを正確に予測するのは難しいです。
実際、「子犬のころは立派なウルフセーブルだったのに、大人になったらほぼ一色になってしまった…」というパターンもあります。
しかし、こればかりは自然のワザですから、どんな毛色に落ち着くのか楽しみながら飼育するのが一番です。
③カットする時は色のバランスに注意が必要
ウルフセーブルは複数の色が混ざり合っているため、実はカットが難しいです。
犬の毛は根元から毛先まで同じ1色とは限らず、根元と毛先で色が違う場合もたくさんあります。
ですから、表面の色合いだけを見てカットすると、仕上がりを見て「色が全然違う!」と驚くこともあるのです。
特に、柴犬カットのように体の毛を短くする場合、顔と体の色のバランスにも気をつけてあげた方がいいでしょう。
そもそも、ポメラニアンは本来カットを必要としませんので、短く切りすぎるのはおすすめできません。
毛質が変わったり、元の長さに戻るまでに2年以上かかったりすることもありますし、体温調節がうまくできなくなることもあります。
外部からの刺激にも弱くなってしまいますから、最低限の長さは残すようにしてあげてください。
まとめ
✔オオカミというよりタヌキに似ていると評判
✔色合いは個体差が大きく、成長とともに変化しやすい
✔販売頭数は少なく、価格の相場は40万~50万
✔たぬきカットや柴犬カットが似合うが、カットしないのもおすすめ