美しい毛色のヨークシャーテリア。チワワの次に小さな犬としては平均寿命が長い犬種です。
この記事では、ヨークシャーテリアの平均寿命や、注意すべき病気、長生きしてもらうためのコツについて解説しています。
かわいい愛犬にいつまでも健康でいてもらうために、ぜひ参考にしてください。
ヨークシャーテリアの平均寿命は約14~15歳人間に例えると72~76歳
順位 | 犬種 | 平均寿命 |
---|---|---|
1位 | イタリアン・グレーハウンド | 15.1 |
2位 | ミニチュア・ダックスフンド | 14.7 |
プードル・トイ | 14.7 | |
4位 | 柴犬 | 14.5 |
5位 | パピヨン | 14.4 |
6位 | ジャック・ラッセル・テリア | 14.3 |
MIX犬(10kg未満) | 14.3 | |
8位 | ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア | 14.2 |
9位 | カニ―ンヘン・ダックスフンド | 14.0 |
10位 | MIX犬(10kg以上20kg未満) | 13.9 |
11位 | ヨークシャー・テリア | 13.8 |
2016年にペット保険のアニコム損保が調査した、犬の平均寿命を見てみると、ヨークシャーテリアの平均寿命は13.8歳と健闘しています。
また、人間に例えると72歳~76歳なので、かなりの長生きだという事が分かります。
さらに長生きする子は15歳くらいまで生きるともいわれているので、日頃の食事や運動など、人と同じように健康に注意しながら過ごしていれば、さらに長生きできる可能性がありますね。
ヨークシャーテリアに長生きしてもらうための5つのコツ
かわいいヨークシャーテリアに長生きしてもらうためには、飼い主さんが愛犬の健康管理を行う必要があります。
ここでは、愛犬に健康でいてもらうための5つのポイントをご紹介しましょう。
1:栄養バランス取れた良質な食事
ヨークシャーテリアの健康の基本は、日々の食事です。
保存料や着色料など、余計な添加物が入っていない、栄養バランスの良い良質なフードを与えるようにしましょう。
市販の安価なフードの中には、人が食べられないような部位を使ったり、価格を抑えるために穀物を多く配合したりしているものがあります。
高価なフードであれば良いというわけではありませんが、良質で新鮮な材料を使い、天然保存料を使用するなど、高価なフードにはそれなりの理由があります。
できるだけ、愛犬のからだに優しい、フードを与えるようにしたいものです。
また、子犬用や老犬用など、愛犬の年齢や体調に合わせたフードも販売されているので、そのステージに合わせて選ぶことも大切です。
2:適度な運動をしてストレス発散
ヨークシャーテリアはもともと工場でネズミを捕獲するために改良された犬ですので、活発で運動が大好きな犬種です。
できれば、毎日朝晩30分程度のお散歩をさせてあげましょう。
天候の悪い日などは、室内でボール遊びやおもちゃの引っ張りっこをして楽しむのも良い運動になります。
また、ヨークシャーテリアは膝蓋骨脱臼に注意が必要な犬種です。肥満になって関節の負担がかかると発症しやすいため、運動で肥満を予防しましょう。
運動は、肥満防止のほかにも、ストレス解消や骨や筋肉の強化などが期待できますので、愛犬の健康を維持するためにも毎日の運動を習慣づけることが大切です。
3:デンタルケア
犬も人と同じように、デンタルケアは必須です。昔より犬の寿命が延びたこともデンタルケアが必要になった理由と言えるでしょう。
デンタルケアを怠ると、3歳までに80%の犬が歯肉炎や歯槽膿漏などのなんらかの口腔疾患の兆候があるといわれています。
「なんだかお口がにおうな…」「歯茎が赤く腫れている気がする…」と思ったら、歯を磨いてあげましょう。
特にヨークシャーテリアのような小型犬は歯石がつきやすいため、食事の後の歯磨きが大切です。
いきなり歯ブラシを口の中に入れるのはどんな犬でも嫌がりますので、まずは口の中にガーゼを巻いた指を入れることに慣らしてから歯磨きを始めます。
ガーゼで歯磨きできるようになったら、歯ブラシでケアしてあげてください。それでも嫌がる子は犬用のデンタルケアグッズが販売されているので、利用してみてください。
4:定期的な健康診断
人も犬も病気は早期発見・早期治療が大切です。元気にしていても、年に1回は定期的に健康診断を受けることが、愛犬の健康を守ることにつながり、ひいては長生きにつながります。
動物病院で年に1回の混合ワクチンやフィラリア検査をおこなったついでに、獣医さんに健康診断をお願いすると手間もかかりません。
健康診断は血液検査のほか、尿検査や便の検査などがありますが、必要に応じてエコーなどもおこなうこともあります。
日頃からなんでも相談できるかかりつけの獣医さんをみつけておくと安心ですよ。
5:適切な温度管理をする
犬の毛はアンダーコートとオーバーコートを持った「ダブルコート」と、オーバーコートのみの「シングルコート」の2つの毛質があります。
ヨークシャーテリアはシングルコートのため、寒さに弱い犬種です。そのうえ体が小さいために外気温の影響を受けやすいといえます。
冬の寒い季節はもちろんのこと、春先や秋など、朝晩気温がグッと冷える時期には洋服を着せたり、部屋が冷えないよう気をつけましょう。
特に冬の寒い季節は、セーターを着せたり、中綿のはいったコートを着せると安心です。
また、人が快適に過ごせる気温でも、ヨークシャーテリアには寒いことがあります。ペット用のヒーターや毛布などを用意してあたたかく過ごせるように工夫してあげてください。
ヨークシャーテリアのかかりやすい5つの病気についても理解しておこう…
ヨークシャーテリアの平均寿命は約14歳と長生きですが、それは健康な体があってこそ。
なりやすい病気を知っておくことで、早期に予防できる可能性があります。ここでは、ヨークシャーテリアがなりやすい病気について解説します。
1:気管虚脱
気管虚脱は、筒状になっている気管が潰れてしまい、呼吸ができなくなる病気です。
気管は本来、頑丈な軟骨に囲まれているため、強く呼吸しても潰れることはありませんが、なんらかのキッカケで軟骨が弱くなってしまい、筒状の形状を保つことが出来なくなって潰れてしまうのです。
気管虚脱はヨークシャーテリアのような小型犬に多く発生し、また、進行性の病気のため早期に治療しなければ症状が悪化していきます。
気管虚脱を発症した犬の症状は、軽い咳から始まり、だんだん呼吸のたびに「ブーブーガーガー」とったアヒルの声のような音が聞こえるようになります。重度になると、咳で苦しくて頭を下げられなくなります。
気管虚脱の原因はまだ解明されていません。治療は、気管を広げる内服薬による治療のほか、重症の場合は手術を施します。
2:門脈体循環短絡症(門脈体循環シャント)
正常な犬は、体のなかでつくられたアンモニアなどの毒素が腸管から吸収されて門脈とよばれる血管を通って肝臓に運ばれ、肝臓で無毒化されます。
しかし、門脈と静脈との間に余分な血管(シャント)ができてしまい、肝臓で解毒されるべき毒素が全身に回ってしまうことで、さまざまな障害をひきおこしてしまうのが門脈体循環短絡症(門脈体循環シャント)です。
門脈体循環短絡症(門脈体循環シャント)は、食欲不振、下痢、嘔吐などの消化器症状が見られ、重症になると元気消失、ヨダレ、ふらつきなどの症状が出ます。
治療は、シャント血管を閉鎖する方法が一般的です。投薬や抗生物質などの内科的治療で治ることはありません。
原因は先天性であることが多く、1~2歳で発症するケースが多くあります。成長期なのに最近食べなくなった、嘔吐するといった症状があるなら、できるだけ早く獣医さんに診てもらうことをおすすめします。
3:膝蓋骨脱臼
パテラとも呼ばれる膝蓋骨脱臼は、膝にある骨(お皿)が脱臼してしまう病気で、ヨークシャーテリアのような小型犬に多く発症します。
膝蓋骨という骨は、滑車溝というくぼみにおさまっていますが、これが本来の位置から外れてしまうことを脱臼といいます。
膝蓋骨脱臼は、外側に外れてしまう外方脱臼と、内側に外れてしまう内方脱臼がありますが、ヨークシャーテリアのような小型犬は内方脱臼が多くみられます。
原因は先天性と外傷などの後天性があり、ヨークシャーテリアのような小型犬は先天的なものが多く、生まれつき膝蓋骨周辺の筋肉のバランスが悪いために起こると考えられています。
膝蓋骨脱臼の症状は、スキップするように、たまに後ろ足を上げて歩いたり、後ろの方へ足を蹴るようにしていたり、ジャンプするのをためらったりと、さまざまです。成長とともに進行する病気なので、1歳半頃までに定期的な診察を受けると安心です。
治療は重症度、合併症の有無、年齢や体重などから獣医がベストな方法を選択してくれます。内科的治療の場合、この病気と付き合いながら生活の質を保てるよう関節系のサプリメントを用いたり、痛み止めを使ったり、生活環境を整えたりしていきます。
重度かつ、日常生活に支障を及ぼす場合は手術によって治療します。
症状に気づきにくい病気ですが、なにも治療しなければ他の関節にも余計な負担をかけることで傷めてしまう可能性があります。
滑りやすいフローリングの床には滑り止めのマットを敷く、肥満に注意する、なるべくジャンプさせないなど、普段の生活で膝に負担をかけないようにしましょう。
4:タンパク漏出性腸症
タンパク漏出性腸症は、腸管に血液中のタンパク質が漏れ出てしまう症状のことをいい、年齢や性別を問わず発症します。
遺伝的な要因のほか、腸疾患にともなって症状が現れることが多いと言われています。原因は、腸リンパ管拡張症や重度の炎症性腸疾患などです。
慢性的な下痢や嘔吐、体重減少、元気消失などの症状で見つけられることもありますが、必ずこれらの症状が出るとは限らないため、よく愛犬の健康状態を観察しておく必要があります。
治療は、低脂肪食を与えたり、免疫抑制剤を用いることがあります。あわせて、脱水や下痢などの対処療法を同時におこなうこともあります。発症を予防するのは難しいため、下痢が続いたり、元気がなくなったりしたら、早めに獣医さんに診てもらいましょう。
5:皮膚疾患
ヨークシャーテリアのような長毛種は、膿皮症や細菌性皮膚炎などの皮膚病全般にかかりやすいので、日頃からこまめなブラッシングをし、皮膚を清潔に持つようにしましょう。
後ろ足で頻繁にかいてかゆがる仕草を見たり、皮膚が赤くなったり、ポツポツが出来ていたりしたらすぐに動物病院で診てもらうことをおすすめします。
皮膚疾患は全身どこにでも症状があらわれますが、特に内股やお腹などに多くみられるようです。
トリミングサロンで定期的に毛を短くカットして通気性を良くする、月に1回はシャンプーして皮膚や被毛を清潔に保つなどして予防することが大切です。
まとめ
・愛犬の長生きのために、栄養バランス取れた適量の食事を与えよう
・適度な運動をしてストレス発散
・デンタルケアと定期的な健康診断を
・ヨークシャーテリアは寒さに弱いので、室温管理を徹底しよう
・ヨークシャーテリアのなりやすい病気に注意しよう
ヨークシャーテリアの平均寿命は約14歳と、小型犬のなかでも長生きです。愛犬を少しでも健康で長生きしてもらうために、成長ステージに合わせた栄養バランスの良い良質なフードを与えましょう。
また、ストレスや運動不足解消のために、適度な運動を心かげてください。雨などの悪天候の日には、部屋の中でボール遊びや引っ張りっこをしてみるのもいいですね。
あらかじめヨークシャーテリアになりやすい病気を知っておくことで、早期発見・早期治療につながります。たとえ何も症状がなくても、年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。