トイプードルは、小型ながら運動量の多い犬種です。
「ぬいぐるみみたいだし、お散歩はしなくてもいいのでは?」と思うのは大きな間違いで、毎日しっかりお散歩を必要とします。
この記事では、トイプードルのお散歩の時間・回数・距離などの目安や、子犬のお散歩デビューの仕方、注意したいマナーなどについてご紹介していきます。
トイプードルの散歩は最後のワクチン接種の2週間後から可能
トイプードルの子犬のお散歩デビューは、ワクチン接種が済んでいることが条件となります。
子犬の場合、計2~3回の混合ワクチンを接種しますが、しっかりと免疫を作るためにも、最後のワクチンが済んでから2週間は散歩を待った方が安心です。
また、狂犬病ワクチンは生後90日を過ぎてから接種することになっています。
すべてのワクチンスケジュールが終了する頃には、生後3~4ヶ月になっていることが多いでしょう。
外には色々なウイルスがいますし、特に他のワンちゃんと触れ合う場合、病気を移し合うリスクがあります。
愛犬の健康を守るためにも、ワクチン接種が済んでからお散歩デビューさせてくださいね。
トイプードルの散歩に最適な距離・時間・回数・タイミングは?
回数 | 1日2回 |
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時間 | 1回30分~(タイニーサイズの場合は1回20分~) |
距離 | 1回1~2km |
時間帯 | 食後を避ければいつでもOK |
「散歩が必要なことは分かったけれど、どれくらいすればいいの?」「朝晩きっちり2回必要?」などが知りたい方のために、トイプードルの散歩に最適な距離や回数などを解説していきます。
トイプードルの散歩は「1回30分×2回」散歩距離は「1回1~2km」が目安
トイプードルの運動量を考えると、1日2回のお散歩が理想的です。
散歩時間はワンちゃんによってさまざまですが、基本的には30分程度、物足りないようであればもっと長く歩かせてあげましょう。
距離にすると、1回あたり最低でも1~2km程度になります。
子犬の場合は、最初は1回10分くらいから始めて、徐々に長くしてあげてください。
「2回つれて行くのは大変だから、1回で長時間散歩させる方がいい」という方もいるかもしれませんが、それはNGです。
特にトイプードルは関節が強くないため、1度に長時間歩くとケガの元になります。
基本的には、短時間の散歩を数回に分けて行なった方がトイプードルの体には安心です。
ちなみに、極小サイズのタイニープードルやティーカッププードルも、1日2回の散歩が理想です。
時間は、30分以上歩きたがる子もいれば、20分くらいで満足する子もいます
体が小さい分、普通サイズの子より関節が弱い場合が多いため、歩かせすぎには十分に注意しましょう。
トイプードルの散歩の時間帯やタイミングは自由
犬の散歩といえば「朝晩2回」のイメージがありますが、実際は決まったルールがあるわけではありません。
むしろ散歩の時間を固定しすぎると、その時間に行けない時にストレスを感じやすくなります。
また、色々な時間帯に出かけた方がワンちゃんにとっても良い刺激になり、飽きずに楽しめるようですよ。
ただし、1つだけ守りたいルールとして「食後を避けること」があります。
食後に散歩すると、胃捻転や胃拡張症候群を起こすリスクが高いことが分かっており、トイプードルでも発症例があります。
命の危険もある怖い病気ですから、食事をした後は最低でも2時間空けてからお散歩させるのがおすすめです。
そのルールさえ守れば、いつも決まった時間に散歩しないとダメということはありません。
また、最適な散歩時間は季節によっても変わります。夏は涼しい早朝や夜、冬はなるべく温かい日中というふうに、気温も考慮して調整しましょう。
トイプードルの子犬を散歩デビューさせる3つの手順を解説
子犬のお散歩デビューはワクチン接種が終わってから、とご説明しましたが、その前からお散歩に向けた準備をしていくことが大事です。
ここでは、トイプードルの子犬をスムーズにお散歩させるための手順をご紹介します。
1.まずは首輪やリードに慣れさせよう
お散歩に必要不可欠な首輪とリードですが、初めて使うワンちゃんにとっては邪魔な異物ですので、最初は嫌がることが多いです。
スムーズにお散歩デビューするためにも、なるべく早い段階から家の中で練習しておきましょう。
いきなり首輪からスタートするのは難しいので、最初は軽いリボンから始めて、次に紐、バンダナというふうに、首に何かを付けることに慣れさせていきます。
おとなしく付けさせてくれたらご褒美をあげて、たくさん褒めてあげることがポイントです。
首輪をつけたまま遊んでくれるようになったら、リードを付ける練習もします。最初は軽い紐から始めて、自由にさせてあげましょう。
慣れたらリードに変え、そのまま食事や遊びができるようになったら、飼い主さんが手で持って歩く練習をします。
ここまで慣れたら、もうお散歩デビューも間近です。
2.外に出て、環境や刺激に少しずつ慣れさせよう
子犬にとって、外は未知の世界。いきなり散歩に連れ出すと、怖がって歩けない子もたくさんいます。
まずは歩かせる前に、外の空気に触れさせてあげることから始めましょう。
ワクチン接種が終わる前でも、飼い主さんが抱っこしたまま外を歩く分にはかまいません(他のワンちゃんと触れ合わないようご注意ください)。
犬の生後3週~12週くらいまでは「社会化期」と呼ばれ、色々なことを柔軟に吸収する時期ですので、なるべく早い時期から外の刺激に慣れさせることが大事です。
家のベランダや庭(他の犬が絶対に立ち入っていないことが条件)があれば、そこで外の空気に触れさせるのもいいですね。
3.リーダーウォークをマスターさせよう
②犬の行きたい方向に行かせない。飼い主より前に出たら反対方向に歩く
③犬を凝視せず、基本的に無視したまま、犬に逆らって歩く
リーダーウォークとは、犬を飼い主さんの横に付かせる歩き方のことです。
飼い主さんがリーダーとなるため、犬は飼い主さんの歩行スピードに合わせて歩き、飼い主さんが立ち止まれば犬もストップします。
このように主従関係をハッキリさせたリーダーウォークが身につくと、犬が興奮しても飼い主さんが行動を制御できるため、事故防止にも役立ちます。
また、飼い主さんと安定した良好な関係を築けますので、散歩以外の場面でも従順な良い子になってくれるはずです。
お散歩の時期を迎えたら、なるべく早い段階から訓練を開始しましょう。
リーダーウォークの基本は、「犬の行きたい方向に行かせない」ことです。犬が飼い主さんより前に出たら、回れ右をします。
なるべくリードが張る前に、先回りをしてターンしましょう。こうすることで、犬は「散歩の主導権が人間にある」ことを理解します。
かわいそうに思えるかもしれませんが、リーダーウォークを身につけることは愛犬を守るために大切なことです。
トイプードルは賢いので、しっかりしつければすぐにマスターしてくれますよ♪
YouTubeなどにも、ドッグトレーナーさんがリーダーウォークのやり方を説明した動画がたくさんアップされていますので、ぜひ参考にしてみてください。
トイプードルの散歩で注意したいマナーは3つ
可愛い愛犬とのお散歩は楽しいものですが、家の敷地から一歩外に出たら、そこは社会。
他の人に迷惑をかけないためにも、トイプードルとのお散歩で気をつけたい3つのルールをご紹介します。
1.排泄物は必ず持ち帰る
お散歩中の排泄物の処理は、基本中の基本のマナーです。
必ずエチケット袋を持って行き、外でしたうんちを持ち帰りましょう。
また、おしっこにも要注意です。昔と違い、最近は「電柱ならOK」という風潮でもなくなってきました。
日本は狭く、人口が多い国ですので、どうしても仕方ない部分があるのだと思います。
特に都会に住んでいる場合、できればトイレは室内でさせた方がラクです。
外でする場合は、他人の敷地内や目立つところは避け、公園の脇などのなるべく目立たないところでさせましょう。
洗い流すために、ペットボトルの水を持ち歩くのもマナーです。
2.リードを短く持ち、近くにいる人に常に配慮する
お散歩中は、なるべくリードを短めに持つのがマナーであり、リーダーウォークの基本です。
最近は伸縮するタイプのリードも売られていますが、長く伸ばすとリードが自転車の車輪や人の足に引っかかってしまうこともあります。
最悪の場合は犬が人に飛びついたり、車道に飛び出したりする危険性があるため要注意です。
人がまるでいない所なら別ですが、そうではない場所ではリードは短めに固定しましょう。
また、残念ですがすべての人が犬好きではない以上、お散歩中は常に「犬嫌いの人もいるかもしれない」という意識を持って、注意深く行動することが大切です。
なるべく道路の端の方を歩くようにし、人とすれ違う時は人と犬の間に自分が入るようにします。
特に犬を怖がっている人がいる場合は、いったん立ち止まって座らせるか伏せさせる、または飼い主さんが抱っこしてあげましょう。
そのためにも、「お座り」「伏せ」「待て」などの基本的なコマンドをしつけておくことが非常に大切です。
3:人混みはなるべく避ける
人混みで散歩させないことも、愛犬と他人を守るために大切なポイントです。
他人に危害を加えてしまうリスクがあるほか、小さなトイプードルは人々の視界に入らず、蹴飛ばされてしまうこともあります。
また、人混みに興奮した犬が逃げ出してしまうケースもあるようです。
お散歩はなるべく人通りの少ない場所を選び、お祭りなどの混雑した場所につれて行く時にはしっかり抱っこしましょう。
トイプードルは運動量が多い散歩しないとストレスや病気のリスクもあることを理解しておこう…
✔ストレスを解消できる
✔刺激によって脳が活性化する
✔社会性が身につく
✔家でまったりした子になる
プードルはもともと水猟犬として活躍していた犬であり、その血を継ぐトイプードルも基本的に活発です。
室内の運動だけでは十分ではありませんので、天候や体調が悪くない限りは、できるだけ毎日お散歩してあげるのが理想的です。
ストレスや肥満の解消になるのはもちろんのこと、日光を浴びることで皮膚病の予防にも役立ちます。
また、家族以外の人や車、電車、他の犬などと出会うことは良い刺激となり、脳を活性化させますし、社会性を身につけることにもつながるのです。
一方、散歩の時間が足りないと、運動不足から肥満や病気になるリスクが上がるほか、ストレスから噛みつきや無駄吠えをすることもあります。
家で暴れまくる子は、もしかしたら散歩の時間が足りていない可能性もありますね。
社会性も身につきにくいため、家族以外の人にいつまでも慣れなかったり、些細なことでパニックになったりするかもしれません。
色々な意味で、トイプードルにはお散歩がとても大切なのです。
トイプードルの散歩でよくある悩みQ&A
Q2.トイプードルは冬も散歩させるの?雪の上は大丈夫?
Q3.トイプードルが散歩中に吠えて困っています…
Q4.トイプードルの散歩に服や靴は必要?
Q5.トイプードルが散歩しすぎるとどうなる?
最後に、トイプードルのお散歩に関するよくある疑問をご紹介していきます。
Q1.トイプードルが散歩をいやがる・歩かない場合はどうしたらいい?
トイプードルが散歩を嫌がる場合、たいていは理由があるはずです。
たとえば、リードを付ける練習を十分にしていないと、リードが嫌で散歩に行きたがらなくなります。
この場合、まずは首に何かを付けることに慣らさないといけません。
もしくは、何度も歩いている道に飽きてしまう子もいます。
この場合は、まったく知らない場所に連れて行ってみると、嬉しそうに歩いてくれるかもしれません。
ただし、これといった理由がないのに途中で立ち止まり、家に戻ろうとすると嬉しそうに歩くワンちゃんの場合、単に「家が好き」である可能性が高いです。
それなら、外の空気を少し吸うだけの散歩で済ませ、あとは家でたっぷり遊んであげるのもアリですよ
Q2.トイプードルは冬も散歩させるの?雪の上は大丈夫?
冬の間も、もちろんお散歩させた方が良いです。
ただし、トイプードルはアンダーコートを持たない「シングルコート」の犬ですので、寒さには強くありません。
冬のお散歩には、温かい服を着せてあげましょう。
雪の降る地域でも、防寒対策さえすればお散歩はOKです。むしろ、雪を喜ぶ子の方が多いと思います。
トイプードル用の靴も売っていますので、雪の上をお散歩する時はぜひ履かせてあげてください。
また、トイプードルの毛は雪玉が付きやすいため、帰った後は十分に乾かしてあげましょう。
Q3.トイプードルが散歩中に吠えて困っています…
犬が人や他の犬に吠えるのは、「恐怖」「警戒」「遊びたがっている」などの理由が考えられます。
特に、生後3週~12週の「社会化期」に十分な経験をしていない子は、初めて見るものに対して警戒心を抱きやすいようです。
まずは「リーダーウォーク」を徹底し、愛犬が他の人や犬に危害を加えないようにしっかりコントロールしましょう。
このような時のためにも、「待て」「お座り」「伏せ」などの基本的なコマンドは覚えさせておきたいものです。
狭い道で他の犬に出会うと、圧迫感から吠える子が多いため、なるべく広い道を選んで散歩することをおすすめします。
また、吠える対象が近づいてきたら通りすぎるまでおとなしく座らせ、おやつを与えるという方法もあります。
おやつは気をそらすのに有効ですし、「他の犬が来るとおやつをもらえる」という良いパターンをインプットできるからです。
どうしても吠え癖が直らない場合は、専門のトレーナーに相談することも検討してみてください。
Q4.トイプードルの散歩に服や靴は必要?
お散歩中のトイプードルが洋服や靴を着ているのは、単にオシャレのためだけではありません。
Q2でご説明した通り、トイプードルは被毛が一層しかない「シングルコート」の犬種のため、寒さには非常に弱いです。
ですから、特に冬場は防寒のために洋服や靴が必要となります。
今は本当にたくさんの服がありますので、たとえば真冬はダウンジャケット、秋はニット素材など、季節や用途に合わせて最適な服を選んであげてください。
また、夏は夏で紫外線の影響が心配されるため、通気性の良い夏服を着せてあげるのもおすすめです。
ただし、最初は着慣れないために抵抗されてしまうかもしれません。
おとなしく着させてくれたらおやつをあげるなどして、服や靴に慣れさせてあげてくださいね。
Q5.トイプードルが散歩しすぎるとどうなる?
トイプードルを長時間歩かせすぎた場合、呼吸が苦しそうになったり、地面に伏せて歩こうとしなかったりします。
ひどい場合は、舌が紫色になる「チアノーゼ」を起こすこともあるため、長時間の散歩には注意が必要です。
疲れている様子が見えたら、抱っこして帰るのもいいでしょう。
また、小さなトイプードルは骨が弱いため、散歩をしすぎると骨にも負担がかかってしまいます。
家に帰ってきた時に、ぐったりしていたら散歩のしすぎのサインです。
ほどよく疲れて休めるくらいが最適な散歩量の目安ですので、ぜひ愛犬の様子をチェックしてみてください。
まとめ
✔散歩は「1回30分×2回」、散歩距離は「1回1~2km」が目安
✔子犬の散歩は、最後のワクチン接種の2週間後から。まずは首輪に慣らそう
✔散歩中に犬を制御するためにも「リーダーウォーク」の練習を
✔散歩中は常に他の人への配慮を。排泄物もしっかり処理しよう
活発なトイプードルにとって、毎日のお散歩は楽しみであり、大切な習慣です。
できれば1回につき30分(歩き足りない子はそれ以上)の散歩を、1日2回してあげましょう。
子犬のお散歩デビューは、ワクチンスケジュールが終了して2週間たってから、が原則です。
その前に室内で首輪やリードに慣れさせたり、抱っこして外の空気に触れさせたりして準備を進めた方が、スムーズにお散歩をスタートできます。
また、お散歩中の事故やトラブルを防ぐためにも、常に飼い主さんがワンちゃんをコントロールできる状態にしておくことが大切です。
リーダーウォークを身につけさせるとともに、常に周りの人に気を配り、安全にお散歩を楽しめるようにしてくださいね♪