トイプードルの飼育で、おそらく最初にぶつかる壁がトイレトレーニングです。
「思っていたより大変…」
「掃除に疲れ果ててしまった…」
「せっかく覚えたと思ったら、また振り出しに戻った…」
こんなふうに、苦労している飼い主さんも多いのではないでしょうか?
ネットにもさまざまな情報があって、どれが正しいのか悩んでしまうと思いますが、大切なのは基本のトレーニングをコツコツ続けることです。
この記事では、トイプードルのトイレのしつけ方の基本をくわしく解説していきます。
トイプードルのトイレトレーニングを始める時期は「お迎えしたその日から」
トイプードルのトイレトレーニングは、お迎え後すぐにスタートしましょう。
今は動物愛護法によって、生後56日を過ぎないと子犬や子猫を譲渡できなくなりました。
ということは、家に迎えた時点で生後2ヶ月にはなっていますから、トイレを教えるのに早すぎることはありません。
しばらく様子見をしてしまうと、犬は「この家ではどこでトイレをしてもOK」と思い込み、後からしつけるのが難しくなる可能性があります。
また、開始後は「遅くても1ヶ月くらいで覚えさせる」ことを目標にしてみてください。
1ヶ月たっても全然うまくいかない場合は、何か原因があるかもしれませんので、一度プロに相談してみましょう。
トイプードルのトイレトレーニングのしつけ方法5STEP
STEP2.タイミングを見計らってトイレにつれて行く
STEP3. 排せつ中にコマンドを言う
STEP4. 上手にできたらおやつをあげて褒める
STEP5.慣れてきたら、自分でトイレまで歩かせる
トイプードルのトイレのしつけ方を、5STEPでご説明していきます。
STEP1.トイレトレーの設置
トイレトレーにトイレシートを敷いたものを、サークルまたはケージ内に設置します。
犬は寝床の近くで排せつするのを嫌がりますので、できれば寝床用とは別に、トイレ用のサークル(ケージ)を用意できると理想的です。
なるべく人通りの少ない静かな場所を確保してあげると、安心しておトイレできますよ。
スペース的に難しい場合は、三方を段ボールなどで囲うだけでもだいぶ違います。
トレーは、トイレシートを噛みちぎってしまう子もいるため、網の付いたものの方が安心です。
また、大切なのが「できるだけ部屋の中にクッションやマットなどを置かない」ということです。
犬はフカフカのものにトイレをしたがる習性がありますので、完璧にトイレを覚えるまで、フカフカしたものは撤去しておきましょう。
STEP2.タイミングを見計らってトイレにつれて行く
✔周りのにおいを嗅ぐ
✔くるくる回り始める
✔食後・起床後・昼寝の後・運動後 など
トイレトレーニングの基本は、「トイレで排せつするという成功体験を積み重ねること」に尽きます。
逆にいうと、トイレを失敗させないことが大切です。
ワンちゃんに排せつの兆候が見えたら、見逃さずにトイレ用ケージへ連れて行き、扉を閉めます。
床のにおいを嗅ぎ出したり、そわそわ、くるくる動き始めたら、トイレしたがっているサインです。
また、食後や、眠りから覚めた後、水を飲んでから20分以内などもトイレに行きたがるタイミングですので、連れて行ってあげましょう。
トイレするたびに記録をつけておくと、次の時間帯が予測しやすくなりますよ。
まずはシートの上で成功させることが第一ですから、確実に間に合わせるために、抱っこしてトイレに連れて行ってOKです。
ケージに入れて5分以上たっても排せつしないようなら、いったんあきらめて出してあげましょう。
タイミングを逃さずにトイレに連れて行くためにも、トイレトレーニング中はワンちゃんから目を離さないのが一番です。
STEP3. 排せつ中にコマンドを言う
②ピッピピッピ
③ワンツーワンツー など
トイレで排せつしたら、そのタイミングでコマンドを言いましょう。
「シーシー」や「ワンツーワンツー」など、毎回同じコマンドであれば何でもOKです。
これを毎回することで、ワンちゃんはトイレとコマンドを結び付けて覚え、将来的にはコマンドを与えるだけでトイレの体勢になってくれますよ。
STEP4. 上手にできたらおやつをあげて褒める
無事にトイレシートで排せつできたら、すぐにおやつをあげて褒めて、ケージから出してあげましょう。
すると、ワンちゃんは「ここでトイレをするといいことがある」と学習します。
褒める時は、いつもの決まった言葉(いいこいいこ・OK OKなど)をかけてあげた方が伝わりやすいです。
トイレは成功するたびに褒めてあげましょう。
もし失敗してしまった場合は、怒ったりせず、淡々と掃除をしてください。
臭いを残すと、次もそこでしてしまう可能性があるため、ハイターなどを使って確実に臭いを取り除くことが大切です。
とにかく、失敗させないように人間が細心の注意を払ってあげましょう。
タイミングさえ逃さなければ、トイレの成功率は間違いなく上がるはずです。
STEP5.慣れてきたら、自分でトイレまで歩かせる
トイレでの成功率が上がってきたら、今度は自分でトイレに行く練習を始めてみましょう。
サークルやケージの入り口で、いったん抱っこからワンちゃんを下ろして、数歩でもいいので自分で中に入るようにさせます。
トイレに入ったら、いっぱい褒めてあげてください。
そして、排せつのたびにコマンドを言うようにすると、そのうちコマンドをかけるだけで自分からトイレに向かってくれます。
以上の5STEPが、トイプードルの基本のトイレトレーニングです。
子犬がトイレシートで排せつできなくても、それは当たり前のことですので、失敗しても決して怒鳴ったり、バツを与えたりしないでください。
それよりも、トイレトレーニング期間は飼い主さんが覚悟を決めて、がっつり付き合うことが重要です。
特に子犬期はトイレの回数も多いので、1秒たりともワンちゃんから目を離さないくらいの気持ちで観察し、排せつのタイミングを逃さないようにしましょう。
トイプードルはもともと賢い犬種ですから、成功体験を積み重ねていけば自然とトイレを覚えてくれますよ。
もしこの方法を1ヶ月続けても何の手ごたえもない場合は、一度プロのトレーナーさんに相談してみてくださいね。
トイプードルのトイレトレーニングが失敗する理由5つ
トイプードルのトイレトレーニングがなかなか成功しない時は、何かしら原因があるはずです。
ここでは、よくあるトイレ失敗の原因を5つご紹介します。
①寝床とトイレが近すぎる
犬は人間が思う以上に綺麗好きですので、寝床や食事をする場所の近くではトイレをしたがりません。
ですから、小さくてもトイレ専用のサークルやケージを用意して、基本的にはそこでトレーニングすることをおすすめします。
夜間や留守番の時は、ベッドとトイレをなるべく離して置けるサークル・ケージに入れてあげるといいですね。
仕切りのついたケージも売られていますので、部屋のサイズに合わせて選んでみてください。
②トイレのサイズが合っていない
犬は、くるくる回りながらトイレをする習性があるため、トレーが小さすぎると失敗の原因になってしまいます。
もし、排せつ物がよくはみ出してしまうようなら、トレーのサイズを一回り大きなものにした方が良いかもしれません。
基本的には「体長の2倍」くらいの大きさはあった方が安心です。
③まだトイレシートを理解していない
トイレシートをトイレと認識しているのは人間だけで、犬にとっては見慣れない物です。
どんなに連れて行っても、そこをトイレと認識してくれないと排せつしてくれません。
なかなかシートでしてくれないようであれば、トイレ誘導タイプの「しつけ液」や「しつけスプレー」をシートにかけておくのも1つの方法です。
犬は嗅覚がするどいので、一度その臭いを覚えれば、外出先でもトイレをすぐ認識してくれますよ。
また、他に紛らわしいものを置かないことも重要です。
フカフカのクッションやマット、毛布類などはすっきり片づけて、ワンちゃんがトイレと勘違いしやすい場所を作らないようにしましょう。
④トイレシートまで間に合わない・見つからない
トイレは分かったけれど、シートに行くまで間に合わずに粗相してしまうケースです。
もしトイレが遠すぎるようであれば、位置を変えた方がいいかもしれません。
また、「自由に動けるスペースが広すぎる」のも問題です。
トイレを完璧に覚えるまでは、飼い主さんの目が届きやすいように、そしてワンちゃんがトイレを見失わないようにするためにも、限られた範囲で行動させましょう。
⑤「排せつすると怒られる」と思っている
トイレの失敗を怒ってしまうと、「排せつ=怒られる」という図式になってしまいます。
飼い主さんとしては、「ここでしちゃダメ」というつもりで叱っていても、ワンちゃんにとっては排せつしたこと自体を怒られたと思ってしまうのです。
その結果、人目に付かないところでこっそり用を足すようになることも…。
こうならないようにするためにも、トイレの失敗は叱らないことが原則です。
「叱らずに済む=失敗させないためにはどうしたらいいか」を、常に考えるようにしたいですね。
トイプードルトイレトレーニングに関する5つのQ&A
Q2.ケージの中では成功するのに、ケージの外に出すと失敗する時はどうしたらいい?
Q3.留守番の長い家庭ではどうやってトイレをしつけたらいい?
Q4.成犬になってからでもトイレのしつけはできる?
Q5.前はできていたのに、トイレの失敗が増えたのはなぜ?
最後に、トイプードルのトイレトレーニングについての気になる疑問をまとめてみました。
Q 1.トイレシートの交換頻度は?
犬は綺麗好きですので、1回でもおしっこをしたシートでは、2回目をしたがらないこともあります。
ですから、1回ごとに交換するのがベストです。
もしそれが難しい場合は、多少高価でも、吸収力・消臭力に優れたシートを使いましょう。
それでも嫌がるデリケートな子であれば、できるだけ1回で交換するようにしてください。
Q 2.ケージの中では成功するのに、ケージの外に出すと失敗する時はどうしたらいい?
よくある悩みですよね。
ケージに閉じ込められている時や、飼い主さんが連れて行ってあげる時にはシートでできるけれど、外にいる時に自分からトイレに行かない、というケースです。
この場合、1つは「まだ自分でタイミングをつかめない」という理由が考えられますので、もうしばらくは飼い主さんがタイミングを見計らって連れて行ってあげるといいでしょう。
または、「トイレシートが見つからない」「遠くて間に合わない」という理由もあります。
この場合、上でもご説明しましたが、行動範囲が広すぎる可能性があるため、あまりあちこち行けないように工夫することが大切です。
Q 3.留守番の長い家庭ではどうやってトイレをしつけたらいい?
子犬のトイレトレーニングの時期は、びっしり家にいられるのがベストですが、仕事などでそれができない方もいると思います。
その場合、できるだけ広いサークルを用意して、寝床とトイレを離して設置してあげましょう。
近すぎるとトイレを使うのを嫌がりますし、排せつ物を踏んでしまう可能性が高くなります。
留守番の多い家庭では、「トイレをさせてから出かけ、帰ってきたらまたすぐにトイレに誘導する」というやり方でのトレーニングが基本です。
うまくできたら、思いきり褒めてあげましょう。
ただし、留守番時間が8時間以上になるような場合は、トイレトレーニングが難しくなるかもしれません。
長時間お留守番させる時は、ペットシッターやトレーナーさんなどの手を借りることも検討してみてください。
4.成犬になってからでもトイレのしつけはできる?
トイプードルは賢い犬種ですので、成犬になってからでもトイレトレーニングは可能です。
ただし、一般的には子犬より時間がかかります。
成犬は子犬ほど頻繁に排せつしないため、成功体験を積むチャンスが少ないことが一因です。
やり方は子犬のトレーニングと同じですから、排せつのタイミングを見逃さず、トイレに連れて行ってあげましょう。
できた時には思いきり褒めてあげてくださいね。
Q5.前はできていたのに、トイレの失敗が増えたのはなぜ?
急にトイレを失敗するようになった場合、考えられるのは以下のような原因です。
①トイレの場所が変わった
②生活環境が変わった
③病気や老化
今までと何か変わったことがあるなら、それが原因の可能性が高いです。
引っ越しをしたり、新しい犬を迎えたりした場合、それまで完璧だったトイレが振り出しに戻ってしまうこともあります。
また一からしつけ直しましょう。
トイレの再トレーニングの際は、自分のおしっこの臭いをペットシートに少しだけ付けてあげると、そこがトイレだと再認識しやすくなりますよ。
もしくは、シニア犬であれば老化から排せつのコントロールが難しくなっている可能性もあります。
若い犬の場合、膀胱炎やホルモン異常などの病気も考えられますので、気になる場合は病院で診てもらってください。
まとめ
✔トイレは寝床から離れた、できるだけ落ち着ける場所に設置する
✔排せつのタイミングを見逃さず、トイレに連れて行くことが大切
✔トイレができたらたくさん褒めて、成功体験を積ませる
✔トイレの失敗は叱らず、臭いを残さないよう徹底的に掃除を