トイプードルが子犬のうちにしつけておきたい7つのこと甘噛み対策も解説

トイプードルは、全犬種の中でボーダーコリーに次ぐ知能の高さと言われるほど賢く、しつけが入りやすい犬種です。

ただし、可愛さのあまり甘やかしてしまうと、わがままな性格に育つ危険性があります。

また、トイレのしつけや甘噛み対策に頭を悩ませる飼い主さんも多いようです。

この記事では、トイプードルが子犬のうちに優先的にしつけておきたい7つのポイントを分かりやすく解説していきます。

トイプードルの子犬のしつけ、いつから始めるべき?

トイプードルの子犬のしつけはいつから始める

トイプードルのしつけは、できるだけ早く開始した方が後々ラクです。

「子犬を家にお迎えした日から始める」くらいでちょうど良いでしょう。

特に生後3週~12週の「社会化期」と呼ばれる期間は、犬の性格を形成する重要な時期と考えられています。

この間に色々な体験をして、基本的なしつけをされた犬は、人間社会の中で安定した幸せな生活を送れる可能性が高いのです。

現在は動物愛護法により、生後56日を過ぎないと子犬をお迎えできなくなりました。

つまり、トイプードルの子犬をお迎えするのは早くても生後8週になりますので、社会化期が終わるまでは約1ヶ月しかありません。

子犬が家に来たら、しつけはすぐにでもスタートしましょう。

トイプードルが子犬のうちにしつけておきたい7つのこと

トイプードルに必要なしつけは色々ありますが、その中でも特に子犬のうちから始めたいしつけを7つピックアップしてみました。

 ①アイコンタクト

①おやつをワンちゃんの鼻先に近づけて注目させる
②そのままおやつを飼い主さんの眉間に持っていき、ワンちゃんと目を合わせる
③完全に目が合ったら、ワンちゃんの名前を呼んでおやつをあげる

アイコンタクトは、犬のしつけの基本中の基本です。

よくしつけられた犬は、どんな場面でも自分勝手に行動せず、必ず飼い主さんの顔を見て判断を仰ぎます。

アイコンタクトの基本は、「飼い主さんと目を合わせたらいいことがある」と学習してもらうことです。

そのために、最初のうちはご褒美のおやつを使って目を合わせます。

この時、愛犬の名前を呼んでからおやつをあげると、「名前を呼ばれたら飼い主さんの目を見る」というパターンが形成されていきますよ。

最初は静かな落ち着いた環境で始めて、慣れたら遊んでいる最中や、お散歩の時などにもトレーニングしてみてください。

名前を呼ぶだけで目が合うようになれば完璧です。

 ②ボディタッチ(ボディコントロール)

①まずは嫌がらない背中や頭などをなでる
②耳先・マズル・歯ぐき・前足などの嫌がる部分に触れていく
③おとなしくしていたらご褒美をあげる

犬が人間に体を触られても嫌がらないようにすることを、「ボディコントロール」といいます。

ボディコントロールは、犬と人間が共生するためにとても重要です。

ボディタッチに慣れていないと、ブラッシングや歯磨き、爪切り、耳掃除などの時に苦労してしまいます。

特にトイプードルは、こまめなブラッシングやトリミングが必要な犬ですので、他の犬以上に触られる頻度が高いです。

体のどこを触られても嫌がらないように、子犬のうちからボディコントロールをしていきましょう。

いきなり嫌がる場所を触らず、徐々にアプローチしていきます。

また、触る時はしっかり手足をホールドして暴れないようにし、多少抵抗されてもやめないことがコツです。

いい子にしてくれたら思いきり褒めて、「体を触ってもらったらいいことがある」と学習させてくださいね。

 ③散歩

①室内で首輪とリードに慣れさせる
②リーダーウォークを覚えさせる
③他の人や犬に興奮させない

トイプードルはお散歩が大好きですが、家の敷地から出る以上、安全のためにもしつけは必要です。

お散歩できるようになるのは、ワクチンスケジュールが終了して2週間後が目安ですが、その前から家の中で首輪とリードに慣れさせておきましょう。

また、飼い主さんの隣について歩く「リーダーウォーク」ができるようになると、お散歩中の愛犬を常にコントロールできます。

犬が自分の行きたい方向にぐいぐいリードを引っ張って行くのは、安全性の観点からも、飼い主さんとの関係性からも良いことではありません。

上手に歩けたらいっぱい褒めてあげながら、正しい歩き方をマスターさせましょう。

また、お散歩中に他の人や犬に興奮させないようにするためには、子犬のうちになるべく外の世界に触れさせることが一番大切です。

それでも吠えてしまう子には、「伏せ」や「お座り」をさせたり、おやつで気をそらせたりするなどの工夫をしましょう。

トイプードルのお散歩のさせ方については、以下の記事でもくわしく解説しています。

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 ④トイレ

①広めのトイレを用意し、初日から場所をしっかり教える
②排せつしたがるそぶりを見せたらトイレにつれて行く
③成功したら大いに褒め、失敗したら黙って片づける
子犬のしつけの中でも、多くの飼い主さんが苦労するのがトイレトレーニングです。
猫と違って、犬は最初からトイレが上手くできなくて当たり前ですので、まずは心に余裕をもって取り組みましょう。
トイプードルの体がすっぽり入るくらいの広さのトイレを用意し、ケージやサークルの中に設置します。
あたりの匂いをくんくん嗅ぎ始めたり、くるくる回り出したりするのは排せつのサインですから、トイレに誘導してあげてください。
もしくは、家に来たばかりのころは短期集中トレーニングとして、「基本的にケージの中で過ごさせて、シートでおトイレできたらご褒美を与えて短時間ケージから出し、またすぐに入れる」というやり方もアリです。

とにかく、上手にシートの上でしてくれたら思う存分褒めてあげましょう。

一方、失敗しても叱らないことが大切です。

叱ってしまうと、ワンちゃんは排せつしたこと自体を怒られたと思ってしまいます。

また、「トイレ以外の場所で排せつしたら飼い主さんにかまってもらえる」と思わせることにもつながりますので、トイレの失敗は黙々と片づけるのが一番です。

1歳ごろまでは何度でも根気よくトレーニングを続けてくださいね。

 ⑤クレート(ハウス)

①最初はクレートの扉を閉めず、中におやつを入れておく
②中に入ったらたくさん褒めて、慣れたら扉を付けて練習する
③クレートに入る時に「ハウス」と声をかける

大人になってから慣れさせるのが難しいものの1つが、クレートです。

クレートは、家では落ち着ける寝床になりますし、外につれて行く時にはキャリーケースにもなります。

災害時などのためにも、慣れてもらった方が絶対に便利ですので、ぜひ子犬の頃からトレーニングをしましょう。

中でワンちゃんが方向転換できるくらいのサイズのものを選び、最初は扉を外して置いておきます。

おやつを中に入れておき、ワンちゃんが入ったら大いに褒めてあげると、「クレートに入ったらいいことがある」と学習してくれますよ。

慣れてきたら扉を付けて、おやつで誘導しつつ、扉を閉じる時間を少しずつ長くしていきます。

この時、ワンちゃんがクレートに入るタイミングで「ハウス」と声がけすると、そのうちおやつをあげなくても「ハウス」の声で入ってくれるようになります。

絶対にしてはいけないのは、クレートを罰を与える場所として使うことです。

嫌なイメージを植え付けないよう、楽しくトレーニングしてくださいね。

 ⑥お留守番

①普段から一人遊びの時間を作る
②留守中は長時間遊べる知育おもちゃなどを与える
③出かける時はしれっと出かける

犬を飼う以上、お留守番をさせる時間は多かれ少なかれあるものです。

しかし、トイプードルは人なつこい性格だけに、飼い主さんと離れると極度に不安を感じてしまう「分離不安症」を起こしやすいと言われます。

お留守番中にずっと吠えたり、パニックになって暴れたり、体調を崩したりすることもありますので、子犬のころからお留守番に慣れさせるのが一番です。

そのためにも、1日の中で短時間でもいいので、サークルやケージの中で一人遊びをさせる時間を作ってあげましょう

中におやつやエサを入れるタイプのおもちゃ(コングなど)を一緒に入れてあげると、飽きずに一人で遊んでくれますよ。

また、出かける時もなるべく長時間遊べるおもちゃを用意してあげると、だいぶ気がまぎれます。

飼い主さんは、大げさにお別れのあいさつなどせずに、すっと出かけるようにしてください。

「あれ?姿が見えないけれど、また帰ってくるからいいや」とワンちゃんに思ってもらうことが大切です。

 ⑦コマンド

①基本のコマンドは「おすわり」「伏せ」「つけ」「待て」「来い」
②最初は手におやつを持って誘導する
③おすわりの形ができた時に「おすわり」の言葉を聞かせる

コマンドとは、ワンちゃんに与える「おすわり」「伏せ」などの指示のことです。

これができるようになると、家でも外出先でも愛犬を簡単にコントロールできます。

コマンドトレーニングでは、最初は手におやつを持って注意をひきつけながら、コマンドの形になるように誘導していくやり方が一般的です。

形ができた時に「おすわり」「伏せ」などの言葉をかけると、ワンちゃんは姿勢と言葉を結びつけて覚えてくれますよ。

完全に覚えてくれるまで、何度でも根気よくトレーニングをしましょう。

また、おすわりを「Sit」、伏せを「Down」というふうに、コマンドを英語で与えるのもおすすめの方法です。

日常で飛び交う日本語とは違う言語で呼びかけることで、ワンちゃんは「自分に向けられている言葉」だと理解しやすくなります。

トイプードルの子犬の甘噛みのしつけはどうすればいい?

✔噛んでもいいおもちゃを与え、思いきり遊んであげる
✔手を噛んできたら、遊びをパッとやめる
✔噛まれた時に「喉に手を突っ込む」という方法も

まず大前提として、トイプードルの子犬が飼い主さんの手を甘噛みするのはごく自然な行動です。

人間の赤ちゃんが何でも物を口に入れるのと同じで、「確認」の意味合いもありますし、飼い主さんと遊びたい時に「かまってよ」の意味で噛むこともあります。

特に乳歯から永久歯に生え変わるまでは、歯がムズムズするため、より噛みたがるようです(これも人間の赤ちゃんと同じですね)。

しっかり社会化ができているワンちゃんの場合、成犬になると落ち着きますし、子犬期にあまり甘噛みを禁止しすぎると、逆に噛む力のコントロールがしにくくなるとも言われています。

とはいえ、噛まれた方は痛いのも確かですから、まずは「人間の手を噛んでいいもの」と思わせないことが大切です。

噛んでいいものとダメなものをはっきり分けるためにも、噛んでいいおもちゃを与えて、引っ張り合いっこをするなどして遊んであげましょう。

その上で、人間の手を甘噛みしてきたら「痛い」「ダメ」などと叫んで、パッと遊びをやめることが肝心です。

遊びを完全に中断することで、ワンちゃんは「手を噛んだら楽しいことが終わってしまう」と学習します。

立ち上がって他のことを始めるなどして、「無視」するのも効果的です。

または、噛んできたらすぐに無言で、手を一瞬ワンちゃんの喉に入れてしまう、という方法もあります。

これも、「噛んだら嫌なことが起きる」と学習させることができますよ。

トイプードルの子犬のしつけでやってはいけないこと

「きちんとしつけているつもりなのに、うまくいかない…」という方は、もしかしたら「NGしつけ」をしてしまっているのかもしれません。

子犬のしつけでやってはいけないことを3つ解説していきます。

①感情的に叱りつける

トイプードルを感情的に叱りつけない

「しつけ=怒る」と考える方が多いのですが、それは間違いです。

感情的に「怒る」のではなく、冷静に「叱る」ことを意識しましょう。

悪いことをした時も、低い静かな声で「No」を言ったり、無視したりする方がずっと効果があります。

声を荒げたり、体罰を与えたりすると、ワンちゃんは人間に対して恐怖心を抱き、結果的に問題行動が増えることもあるのです。

どうしても心にゆとりがなくなって、つい怒鳴ってしまうことが増えた場合は、プロのトレーナーさんを頼ることも考えてみてくださいね。

②時間が経ってから怒る

トイプードルを時間が経ってから怒らない

犬を叱る時は、「悪いことをしたらすぐにその場で」が原則です。

噛んできたらすぐに「No」、吠えたらすぐに「ダメ」というふうに即座に叱らないと、ワンちゃんには伝わりません。

たとえば、留守中にした悪さを帰宅してから怒っても意味がないのです。

犬のしつけでは、「何がダメなのかをハッキリ理解させること」が大事ですので、叱るタイミングを逃さないようにしましょう。

③名前を呼んでから怒る

トイプードルを名前を連呼して怒らない

犬でも子供でも、叱る時はつい「〇〇」と名前を呼んでから説教してしまいますが、これもできるだけ避けましょう。

たとえば、名前を呼んで近くに来させてから叱ると、ワンちゃんは「自分の名前を呼ばれる=怒られる」と考えてしまいます。

何度も何度も名前を連呼しながら叱りつけるのも、もちろん良くないです。

ただし、トイプードルをお迎えしてある程度の期間が経ち、飼い主さんとの間にしっかりと信頼関係が築かれた後であれば、それほど問題はありません。

まだお迎えして間もない子犬の場合は、自分の名前に良いイメージを持たせるためにも、なるべく名前を呼んで叱らないように気をつけてください。

まとめ

・トイプードルのしつけは、お迎えしてすぐに始めた方が良い
・基本のしつけは全部で7つ。「アイコンタクト」は基本中の基本
・トイレはお迎えしたその日から、根気よくトレーニングを続ける
・甘噛み対策は、噛んでいいおもちゃで遊んであげることが先決
・感情的に怒るのはNGリーダーとして理性的に叱ろう
トイプードルが子犬のうちにしつけておきたいことを、7つまとめて解説しました。
最近は、犬でも人間でも「褒めて育てる」という考え方が人気ですが、少なくとも犬にとってしつけは重要です。
しつけができていないと、いずれ飼い主さんが苦労しますし、最悪の場合は他人にケガをさせてしまうかもしれません。
人間社会の中で安全に幸せな生活を送ってもらうためにも、必要なしつけはしっかり行ないましょう。
トイプードルは賢いので、おやつを上手に使いながら段階を踏んでトレーニングすれば、しつけはしっかり入る子がほとんどです。
「どうしてもダメ…」という場合は、迷わずプロのドッグトレーナーさんを頼って、助けてもらってくださいね。