ぬいぐるみのように可愛いトイプードルですが、犬である以上、もちろんしつけは大切です。
可愛さのあまり甘やかして育ててしまうと、無駄吠えや噛み癖などの問題行動につながることもあります。
この記事では、トイプードルの問題行動を防ぐための基本的なしつけである「トイレ」「無駄吠え対策」「噛み癖・甘噛み対策」「お留守番」「コマンド」の5つについて、くわしく解説していきます。
トイプードルは賢いので、しつけしやすい犬
プードルは、大変賢い犬種です。
アメリカの心理学教授スタンレー・コレン氏による「賢い犬種ランキング」においても、1位のボーダーコリーに次いで、プードルが2位にランクインしています。
物覚えが良いので、初めて犬を飼う方でもしつけしやすいですよ。
そのためにも、正しい知識をたくさん身につけておきましょう。
いつから始める?トイプードルのしつけをする時期はお迎えした時からスタート
トイプードルは賢いため、成犬になってからでもしつけは十分可能ですが、早く始めた方がラクなのは確かです。
特に生後3週~12週は、犬にとって「社会化期」と呼ばれる重要な期間で、色々な情報をものすごいスピードで吸収します。
ですから、子犬から飼うのであれば、家にお迎えした時からしつけをスタートするのが理想的です。
現在は動物愛護法によって、子犬を販売・譲渡できるのは「生後56日を過ぎてから」となっていますので、家に来た時点ですでに生後8週を過ぎています。
お家で過ごせる社会化期は1ヶ月程度しかないため、できるだけ色々な体験をさせて、基本的なトレーニングもしておきましょう。
トイプードルが子犬のうちに優先的に済ませておきたいしつけについては、以下の記事でくわしくご紹介しています。
トイプードルは、全犬種の中でボーダーコリーに次ぐ知能の高さと言われるほど賢く、しつけが入りやすい犬種です。ただし、可愛さのあまり甘やかしてしまうと、わがままな性格に育つ危険性があります。また、トイレのしつけや甘噛み対策に頭を[…]
トイプードルに必要な5つのしつけについて解説
ここでは、特にトイプードルの問題行動を防ぐためにしておきたい5つのしつけについて、くわしく解説していきます。
①トイプードルのトイレのしつけ(トイレトレーニング)
✔時間や犬の様子を見ながらトイレにつれて行く
✔成功したら褒めまくる失敗したら黙って片づける
トイレが成功したら、おやつを与えて思いきり褒めてあげてください。
一方、失敗しても叱らずに、黙って片づけましょう。
叱ってしまうと、排せつしたこと自体を叱られたと勘違いして、飼い主さんの見つからないところにおトイレする習慣がつくかもしれません。
また、飼い主さんにかまってもらうために、わざとおトイレを失敗する子もいますから、失敗した時は「無視して片づける」のが一番なのです。
②トイプードルの無駄吠えのしつけ
✔要求吠えには一切反応しない
✔留守中はカーテンを閉めておくなどの環境づくりをする
その他、来客や通りすがりの人に吠える「警戒吠え」もありますが、成長や慣れとともに落ち着いてくる子も多いです。
もし、留守中に窓の外に向かって吠えるのが心配であれば、カーテンを閉めてしまいましょう。
また、来客があったら「おすわり」「伏せ」などのコマンドで落ち着かせ、うまくできたらたくさん褒めておやつをあげてください。
お客さんからもおやつをもらうようにすると、「お客さんが来る=いいことがある」と学習してくれるようになりますよ。
③トイプードルの噛み癖・甘噛みのしつけ
✔手を噛まれたら、「痛い」と言って遊びを中断する
✔噛まれて困る物は、あらかじめ対策しておく
子犬のうちは、歯の生え変わり時期でもありますので、物を噛みたがるのは普通のことです。
将来的に噛み癖がつかないようにするためにも、「噛んでいいものといけないものを区別させる」ことが大切と言えます。
子犬が飲み込まないサイズのおもちゃを与えて、一緒に引っ張り合いをするなどして思う存分噛ませてあげましょう。
一方、手を噛んできたら一言「痛い」「ダメ」と叫んで、遊びをやめます。
ワンちゃんにとって、楽しい遊びを中断されるのはとても悲しいことですので、「手を噛んだら遊んでもらえない」と学習させることができるのです。
また、噛み癖といえば、人間の手ではなく「物」を噛んで破壊するワンちゃんもいますよね。
家じゅうの色々な物を噛んでボロボロにするワンちゃんの場合、まずできることは「最大限の対策をする」ことです。
トイレシートをビリビリ破かれないためにメッシュタイプのトレーを使う、噛まれて困る物はワイヤーネットで覆う、コードには配線カバ―を付ける、といった具合です。
そして、そもそもの原因として「退屈」がありますので、散歩の時間や回数を増やす、家の中で遊んであげる時間を増やす、といった工夫も非常に効果があります。
食事を「コング」などのおもちゃに詰めて、1日数回に分けて与えてあげるのも、退屈しのぎになるのでおすすめですよ。
④トイプードルの留守番のしつけ
✔なるべく家族で分担してお世話をする
✔短時間のお留守番から徐々に慣れさせていく
犬を飼う以上、必ず必要になるのがお留守番ですが、一部のワンちゃんにとってはこれがなかなか難しいようです。
特にトイプードルは人が大好きな子が多いため、飼い主さんと少しでも離れると極度の不安を抱く「分離不安」に陥りやすいと言われています。
そうなると、留守番中にさまざまな問題行動を起こす可能性が高いので、子犬のころから少しずつ慣れさせておきましょう。
たとえば、長時間遊べる知育トイをケージの中に入れて、一人で遊ぶ時間を毎日作ります。
また、特定の人だけがワンちゃんのお世話をすると、どうしてもその人への依存が強まるため、できる範囲で分担することも大切です。
お留守番は、最初は「別室に行ってすぐに戻ってくる」ことから始め、ワンちゃんの目の前から消える時間を徐々に長くしていきます。
大切なのは、「飼い主さんはどこかへ行っても、必ずすぐに戻ってくる」と覚えてもらうことです。
特に子犬のうちは、安全のためにもサークルやケージの中でお留守番させて、帰ってきたら思いきり褒めてあげましょう。
⑤トイプードルのコマンドのしつけ
✔おやつを噛ませながら目標の姿勢に誘導していく
✔目標の姿勢になった時に「お座り」などの声をかける
犬をコントロールするために大きく役立つのが、コマンドです。
「お手」「おかわり」などが有名ですが、重要なのは「お座り」「伏せ」「付け」「来い」「待て」などですので、まずは基本の「お座り」から始めましょう。
最初から言葉を理解しているわけはないため、大好きなおやつを手に持ってワンちゃんの注意をひきつけながら、とらせたい姿勢に誘導していきます。
たとえば「お座り」なら、おやつを少しずつ上に移動させると、ワンちゃんがおやつを見上げるために自然にお尻を下ろします。
このように、誘導したい姿勢ができた瞬間に「お座り」と言っておやつを与えると、そのうちコマンドを与えただけでその姿勢ができるようになりますよ。
他にも、「よし」「ハウス」「シーシー(トイレ)」など、コマンドはたくさんあります。
英語で覚えさせるのも、犬が「自分に向けられた言葉である」と理解しやすいのでおすすめです。
まとめ
✔しつけはなるべく子犬のうちから始めるとラク
✔トイレトレーニングは成犬になるまで何度でも根気よく
✔子犬のうちにたくさんの経験をさせることが、無駄吠え対策につながる
✔「分離不安」になると留守番が難しいので、一人遊びに慣れさせよう