シーズーの寿命は、10~16歳と言われています。
一般的に、犬は小型の方が長生きするため、シーズーも全犬種の中では長寿な方です。
できるだけ元気で長生きしてもらうためには、若いころからの健康管理と、定期的な健康診断が重要になります。
この記事では、シーズーの平均寿命や、ギネス最高齢、長生きのポイントなどをまとめてみました。
シーズーの寿命は10~16歳。小型犬としては平均的
犬種 | 平均寿命(2017年) |
---|---|
シーズー | 13.7歳 |
ポメラニアン | 13.8歳 |
トイプードル | 15.2歳 |
チワワ | 13.8歳 |
ミニチュアダックスフント | 14.9歳 |
ヨークシャーテリア | 13.9歳 |
マルチーズ | 13.3歳 |
ミニチュアシュナウザー | 13.4歳 |
パピヨン | 14.7歳 |
パグ | 12.7歳 |
柴 | 14.6歳 |
シーズーの平均寿命は個体差もありますが、他の多くの犬と同様、10~16歳の間が多いと言われています。
動物保険会社のアニコムが2019年にまとめた犬種別の平均寿命を見ると、シーズーの平均寿命は13.7歳でした。
他の小型犬と比較すると、ごく平均的と言えるでしょう。
ちなみに、2014年のデータでは13.6歳だったため、わずかながら延びていることが分かります。
今後もフードの質の向上や、動物医療の発達などによって、シーズーの平均寿命は長くなっていくはずです。
シーズーの寿命、ギネス最高齢は23歳
これまでもっとも長生きしたシーズーは、アメリカフロリダ州に暮らしていた「Smokey」と言われています。
名前 | Smokey |
---|---|
性別 | オス |
誕生日 | 1986年1月18日 |
死亡日 | 2009年(23歳) |
フロリダのセント・ピーターズバーグという町で老夫婦に飼われていたSmokeyは、なんと23歳まで生きたと伝えられています。
しかも、生涯のほとんどを健康な状態で過ごし、20歳を超えても散歩などを楽しんでいたそうです。
ギネスに正式に登録されているかどうかは不明なのですが、現在確認できる中ではSmokeyを超える長寿シーズーは見つかりませんでした。
ほかにも、同じくアメリカに暮らしていた「Teddy」(2000年8月1日~2019年12月12日)や、「Marnie」(2001年10月26日~2020年3月5日)などが長寿シーズーとして知られています。
彼らのように20歳くらいまで生きられるシーズーが、今後も増えることを期待したいですね。
シーズーの寿命(年齢)、人間でいうと何歳?
シーズーの年齢(月齢) | 人間換算年齢 |
---|---|
3ヶ月 | 4歳 |
6ヶ月 | 7歳 |
9ヶ月 | 11歳 |
1歳 | 15歳 |
2歳 | 23歳 |
3歳 | 28歳 |
4歳 | 32歳 |
5歳 | 36歳 |
6歳 | 40歳 |
7歳 | 44歳 |
8歳 | 48歳 |
9歳 | 52歳 |
10歳 | 56歳 |
11歳 | 60歳 |
12歳 | 64歳 |
13歳 | 68歳 |
14歳 | 72歳 |
15歳 | 76歳 |
16歳 | 80歳 |
17歳 | 84歳 |
18歳 | 88歳 |
19歳 | 92歳 |
20歳 | 96歳 |
あくまで目安ですが、シーズーの年齢を人間に換算すると、おおよそ上記のようになります。
1歳~2歳で成犬になった後は、1年ごとに人間の4倍ずつ歳を重ねていく感じです。
ドッグフードなどでは、6歳からシニア犬と表記されていることもありますが、小型犬の場合は10歳からシニア犬に分類することもあります。
いずれにしても、16歳以上生きるシーズーは十分長生きと言えそうです。
シーズーの寿命に影響する心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」とは
疾患分類 | 死亡頭数(割合) |
---|---|
腫瘍 | 1,114頭(13.4%) |
循環器系の疾患 | 921頭(11.1%) |
泌尿器系の疾患 | 667頭(8.0%) |
消化器系の疾患 | 476頭(5.7%) |
肝胆道系の疾患 | 453頭(5.5%) |
※引用元:アニコム「犬種別の平均寿命を調査」
アニコムのまとめによると、犬の死因としてもっとも多いのは「腫瘍」で、次が「循環器疾患」となっています。
犬種によっても違いがあり、シーズーは循環器疾患が死因になりやすいとのことです。
犬種別にみると、「腫瘍」が最も多い死因となる犬種は「ミニチュア・ダックスフンド」「ゴールデン・レトリーバー」「ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ」などであり、「循環器疾患」が最も多い死因となるのは「チワワ」「シー・ズー」「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」など、犬種によって死因も異なることがわかりました。
循環器疾患の中でも、特に発症率が高い病気が「僧帽弁閉鎖不全症」です。
心臓の左心房と左心室の間にある「僧帽弁」が、なんらかの原因でもろくなり、血液循環が悪くなって心臓が弱ってしまう病気です。
シーズーをはじめとする老齢の小型犬に多く、6歳を超えると発症率が上がると言われています。
治療方法としては、投薬と手術がありますが、投薬だけでは対症療法に過ぎないため、根本的に治すためには手術が必要です。
しかし、僧帽弁閉鎖不全症の手術を受けられる病院は少ない上、100万円以上の費用がかかります。
このように、シーズーにとって命を脅かす恐ろしい病気ですが、早期発見できれば薬や食事による管理でも寿命を延ばすことが可能です。
僧帽弁閉鎖不全症は、聴診で心雑音を認めることで早期発見できますので、症状のないうちから年に1~2度は定期検診を受けることをおすすめします。
シーズーの寿命を延ばして長生きさせる5つのコツ
かわいいシーズーに長生きしてもらうためには、飼い主さんによる日ごろの健康管理が何よりも大切です。
ここでは、シーズーの寿命を延ばすためのポイントを5つご紹介していきます。
①栄養バランスのとれた適量の食事
✔オメガ3脂肪酸(EPAやDHA)が含まれている
✔合成着色料や香料、保存料などが添加されていない
健康の基本は、毎日の食事から。
シーズーはアトピー性皮膚炎やマラセチア性皮膚炎などの皮膚疾患にかかりやすいため、良質な肉や魚が使用されているタンパク質豊富なドッグフードで免疫力を高めてあげましょう。
涙やけなどの目のトラブルも起こりやすいので、乳酸菌やオリゴ糖などが含まれた腸内環境を整えるフードもおすすめです。
また、皮膚の状態を良くするために積極的に摂取したいのが、体内で作り出せない必須脂肪酸。
特にフィッシュオイル由来のオメガ3脂肪酸(EPAやDHA)は、アトピーやアレルギー症状の改善に役立つことが分かっていますので、しっかり含まれているフードを選びましょう。
合成着色料や香料、防腐剤などが極力使われていないものを選んであげてください。
②適度な運動
シーズーは骨太で筋肉もしっかり付いているため、維持するためにも適度な運動は必須です。
散歩はできれば1日2回、各30分(もっと歩きたがる場合はそれ以上)を目安にしてください。
さらに、室内や庭などでボール遊びをしたり、たまにはドッグランで自由に走らせてあげたりすると、ストレス解消にもなります。
ただしシーズーの場合、夏場の散歩や運動には注意が必要です。
短頭種は体内の熱を逃がしにくいため、炎天下の中を運動させると命にかかわります。
夏場は日が昇る前か沈んだ後の時間帯に、必ず水分を持って散歩しましょう。
③定期的な健康診断
✔外耳炎
✔アトピー性皮膚炎・マラセチア皮膚炎などの皮膚疾患
✔椎間板ヘルニア
✔短頭種気道症候群
✔僧帽弁閉鎖不全症
シーズーに元気で長生きしてもらうためには、病気の早期発見が大切です。
心臓病のところでもご紹介したように、年に1~2回は動物病院で健康診断を受けて、異常がないかどうかを調べてもらいましょう。
シーズーは、特に目や皮膚の病気にかかりやすいです。
また、鼻の低い犬種がかかりやすい病気として、気道が狭くなることで呼吸がしにくくなる「短頭種気道症候群」もあります(気管虚脱など)。
常に呼吸がハーハーしている、呼吸に雑音が混ざるなどの症状が見られた場合は、すみやかに受診してください。
④適切な室温管理
✔常に新鮮な水を好きなだけ飲めるようにしておく
✔夏はクールマットを用意しておく
✔夏の日中の散歩は避ける
✔冬も暖房のつけすぎに注意する
シーズーのように鼻の短い短頭種の犬は、呼吸によって熱を逃がしにくいため、高温多湿な環境が大変苦手です。
さらに、毛もダブルコート(2層構造)のため、より熱がこもりやすくなります。
室温はなるべく25度以下、湿度は60%以下をキープできるようにしましょう。
人間が暑いと感じる時には、シーズーはもっと暑さを感じていますので、その前に冷房を入れるなどの対策をしたいものです。
また、夏場の散歩や運動に注意するのはもちろんのことですが、冬場の暖房も意外とあなどれません。
温風に当たりっぱなしだったり、こたつに長く入ったりすると、冬であっても熱中症のリスクがあるため、常に気を配ってあげてください。
⑤毎日のデンタルケア
シーズーの健康管理の中でも欠かせないのが、デンタルケアです。
シーズーはアンダーショット(受け口)の子が多く、歯並びは総じて良くありません。
そのため、食べかすが残りやすく、さっと磨くだけでは取りきれないこともあります。
歯の汚れを放置すると歯石となり、やがて歯周病につながるのは人間と同じです。
歯周病は犬にとっても万病の元ですので、子犬のころから歯磨きに慣れさせ、一本一本をしっかり磨けるようにしましょう。
最初は、美味しい味のジェルや歯磨きシートなどで慣らしていき、抵抗がなくなったら歯ブラシを使って本格的に磨いてください。
動物病院で歯石取りもできますが、全身麻酔が必要なため犬の負担が大きいです。
なるべく最小限に済ませるためにも、普段から自宅で丁寧にケアすることをおすすめします。
まとめ
✔シーズーのギネス最高齢は「23歳」
✔シーズーの命にかかわる「僧帽弁閉鎖不全症」に注意
✔長生きのためには、食事・運動・定期健診・室温管理・デンタルケアが大切
✔シーズーに合った栄養素の含まれたフードを選ぼう