シーズーは温厚で頭も賢く、初心者にも飼いやすい犬種です。
ただし、頑固な一面もありますので、シーズーに合ったしつけをする必要があります。
この記事では、主に初心者の方のために、シーズーの基本的な飼育方法や必要なものリスト、しつけ方法などを解説。
これからシーズーをお迎えする方は、ぜひ参考にしてみてください。
シーズーをお迎えする時に用意するもの8つ
用意したい物 | おすすめサイズ | 平均価格 |
---|---|---|
①サークル(ケージ) | 90cm×60cm~120cm×90cm | 5,000円~20,000円 |
②クレート(キャリーケース) | S~Mサイズ (体高+5cm) | 4,000円~10,000円 |
③トイレトレー・ペットシート | 子犬期:レギュラー~セミワイドサイズ 成犬期:セミワイド~ワイドサイズ | 1,000円~5,000円 |
④食器・給水器 | 底が浅いもの | 1,000円~5,000円 |
⑤ドッグフード・おやつ | 子犬期は子犬用 | 月2,000円~5,000円 |
⑥スリッカーブラシ・コーム | 小~中サイズ | 1,000円~4,000円 |
⑦ケア用品(爪切り・シャンプー・歯磨き用品など) | ― | 2,000円~5,000円 |
⑧おもちゃ | ― | 1,000円~3,000円 |
シーズーの飼育に最低限必要なものをまとめてみました。
これらの飼育用品は、必ず子犬をお迎えする前にそろえておきましょう。
ワクチンスケジュールが完了していない子犬を連れてペットショップに行くのは厳禁ですので、ご注意ください。
他にも散歩用のリードや首輪などもありますが、ワクチンスケジュールが完了してからそろえればOKです。
次に、それぞれの飼育用品の選び方をくわしくご紹介していきます。
①ケージ・サークル
愛犬がいつでも安心して落ち着ける場所として、ケージやサークルは必須です。
悩むのがサイズ選びですが、シーズーの子犬を迎える場合、90cm×60cm程度のもので十分でしょう。
ただし、今後大きくなることを考えると、一回り上のサイズ(120cm×90cm)を選んでもいいかもしれません。
あまり広すぎると逆に落ち着けないのでご注意ください。
成長とともにジャンプ力が増すため、屋根付きのものをおすすめします。
また、犬は寝床を汚すことを嫌いますので、寝床のケージとは別にトイレトレーニング用のサークルも用意できるとベストです。
トイレシートを2~3枚敷けるスペースがあれば十分ですよ。
②クレート
動物病院やお出かけの時の移動手段として、また落ち着ける寝床として、クレートも必ず用意しておきたいものの一つです。
慣れさせるために、ケージの中にベッドとして設置するのも良いでしょう。
クレートも、狭すぎず広すぎないものを選ぶ必要があります。
基本的には、高さが「体高+5cm」あるものがベストです。
子犬のころであれば、一般的に「Sサイズ」として売られているもの(幅30~32cm×奥行47~48cm×高さ20~25cm程度)で十分だと思います。
もしくは、成長後のことを考えて「Mサイズ」(幅38cm×奥行58cm×高さ32~33cm程度)を選ぶのも一つの方法です。
シーズーは体格の個体差が大きく、成犬になってもSサイズで収まる子もいれば、Lサイズが必要な子もいます。
必要に応じて、途中で買い替えも検討したい商品です。
③トイレトレー・シート
昔と違い、基本的に犬のトイレは室内でさせる時代になったため、トイレシートは必須です。
子犬はトイレシートをちぎって食べてしまうおそれがありますので、できればメッシュタイプのカバーが付いたトイレトレーも一緒に用意しましょう。
サイズは、子犬のうちはレギュラーサイズで十分間に合います。
ただ、いずれ大きくなりますし、排せつ時に大きくクルクル回る子もいることを考えると、最初からワイドサイズを用意するのもおすすめです。
ケージの中にレギュラーサイズのトイレトレーとシート、トイレ用サークルにワイドサイズのシートを敷き詰める、という方法がいいかもしれませんね。
④食器・給水器
シーズーの食器選びで気をつけたいのは、「底が浅いものを選ぶ」ということです。
シーズーは鼻が低い「短頭種」の犬ですので、深いお皿にフードを入れてしまうとうまく食べられません。
また、プラスチック素材よりも、傷つきにくくひっくり返りにくいステンレスや陶器の食器を選ぶことをおすすめします。
飲み水は、受け口のシーズーにとってはボウルに入れるより給水器の方が飲みやすいようです。
ケージに取り付けられるものが売っていますので、セットしておいてあげましょう。
⑤フード・おやつ
②着色料や人工的な香料などが無添加であること
③皮膚状態を良くする必須脂肪酸を含んでいること
④腸内環境を整える成分が含まれていること
⑤噛みやすい小粒タイプであること
シーズーはアレルギー性皮膚炎やマラセチア性皮膚炎などの皮膚疾患にかかりやすいため、免疫機能を高めて、皮膚状態を改善してくれるようなフードが最適です。
そのためにも、良質なタンパク質が豊富な肉や魚を主原料としたフードを選びましょう。
逆に、アレルギーの原因になることもある添加物は極力使われていないものを選びたいところです。
皮膚状態を改善するためには、必須脂肪酸の中でも特に「オメガ3脂肪酸(DHA・EPAなど)」が役立ちます。
魚油由来のものが含まれたフードを選んでみてください。
シーズーは目の病気にもかかりやすいのですが、目周りの健康には腸内環境が大きく関係すると言われます。
ビフィズス菌やオリゴ糖など、腸内環境を整える効果のある成分が入ったフードがおすすめです。
また、鼻ぺちゃのシーズーには粒が小さめのフードの方が食べやすいので、粒のサイズにも注目して選んでみてくださいね。
⑥スリッカーブラシ・コーム
シーズーは長毛種ですので、毎日のブラッシングが不可欠です。
ダブルコートの犬としては抜け毛は少なめですが、毛が細いため絡まりやすく、ブラッシングを怠ると毛玉ができてしまいます。
毛の絡まりをほぐすスリッカーブラシまたはピンブラシを一つと、毛玉チェックや仕上げに使うコームを一つ用意しましょう。
シーズーの場合、小~中サイズがおすすめです。
最初にコームで全体を梳かして、毛玉や毛の絡まりがないかどうかを確認し、あったらスリッカーブラシかピンブラシで少しずつほぐすのが基本のブラッシングです。
特に首のまわりや耳の後ろ、ワキなど毛がこすれ合う場所は毛玉ができやすいので、こまめにブラッシングしてあげてください。
⑦ケア用品(爪切り・シャンプー・歯磨き用品など)
早いうちからそろえておきたいケアグッズとしては、歯ブラシや爪切り、シャンプーなどがあります。
お迎えした後でもかまいませんが、特に歯ブラシは嫌がらないよう、子犬のうちから少しずつ慣れさせることが大切です。
いきなり歯ブラシを使うのが難しい場合は、指に巻いて使う専用のガーゼで歯を磨いてあげましょう。
爪切りやシャンプーは、トリミングサロンでお任せすることもできますが、ワクチンが完了するまでは飼い主さんがしなくてはいけません。
低刺激の子犬用シャンプーを用意することをおすすめします。
爪切りは、人間用のものも使えなくはありませんが、安全のためにも犬専用のものを用意してあげてください。
⑧おもちゃ
子犬はおもちゃが大好きなので、ぜひいくつか用意してあげましょう。
子犬期は特に物を噛みたがるため、噛みごたえのあるおもちゃがおすすめです。
歯が割れないよう、あまり硬すぎるおもちゃではなく、樹脂などのソフトな素材を選んであげてください。
ボール遊びも大好きですし、ひもやタオルなどを飼い主さんと引っ張り合いっこするのも喜びます。
細かく砕けてしまうものは誤飲の危険性がありますので、丈夫なおもちゃを用意してあげましょう。
シーズーの飼育の5つのポイント
② トイレトレーニングは初日から根気よく
③ ワクチンスケジュールが終わったら散歩をスタート
④ ブラッシングや目元のケア、歯磨きは毎日行なう
⑤ 毎年のワクチン接種&定期的な健康診断を
「犬を飼うのは初めてだから、具体的に何をどうすればいいのか分からない…」という方もいると思いますが、シーズーは初心者の方にも飼育しやすい犬です。
基本となるのは、「食事を与える」「トイレを覚えさせる」「ブラッシングや歯磨きなどのケアをする」の3つ。
さらに、犬ならではの習慣として「お散歩」「ワクチン接種」などがあります。
まずは、シーズーの飼育の基本的なポイントを5つ押さえておきましょう。
①成長に合わせた良質なフードを適量与える
~生後3ヶ月 | 子犬用フード | 1日3~4回 |
---|---|---|
生後3ヶ月~6ヶ月 | 子犬用フード | 1日2~3回 |
生後6ヶ月~9ヶ月 | 子犬用フード+成犬用フード | 1日2回 |
生後9ヶ月~ | 成犬用フード | 1日2回 |
食事は、時期によって与えるフードや回数、量などを適宜変える必要があります。
一般的に、生後3ヶ月ごろまでは子犬用フードを1日3~4回に分けて与えましょう。
それ以降は、一度に食べる量を少しずつ増やしていき、生後6ヶ月ごろからは1日2回にします。
しだいに子犬用フードと成犬用フードを混ぜて与えるようにし、生後9ヶ月くらいからは成犬用フードに切り替えましょう。
フードの量は、パッケージに記載されている量が目安ですが、便の状態をチェックすることも大切です。
硬すぎる場合は量が少ない、柔らかい場合は量が多いと考えられますので、ちょうど良い便になるよう調整してみてください。
②トイレトレーニングは初日から根気よく
②頃合いを見計らってサークルに誘導
③上手にできたら大いに褒める
④しだいにトイレシートの枚数を減らし、最終的にサークルを撤去
③ワクチンスケジュールが終わったら散歩をスタート
シーズーは大抵、散歩が大好きです。
散歩ができるようになるのは、ワクチンスケジュールが完了してから。
3回の混合ワクチンの後、狂犬病のワクチンを接種して2週間ほどたったら、安心して外を歩かせてOKです。
その前も、飼い主さんが抱っこした状態で外の空気に触れさせる分にはかまいません。
シーズーの散歩は、できれば1回30分以上を1日2回行なうのがベストですが、個体差もあります。
もっと歩きたがる子は時間や回数を増やしてOKですし、あまり乗り気ではない子は減らして、家での遊びを充実させてあげましょう。
④ ブラッシングや目元のケア、歯磨きは毎日行なう
ブラッシング | 毎日 | 最初にコームで全体を梳かし、通りにくいところをスリッカーやピンブラシでほぐす |
---|---|---|
目元のケア | 毎日 | 濡らしたガーゼで目やにや涙やけを優しく拭き取る |
歯磨き | 毎日 | ガーゼまたは歯ブラシで前歯→奥歯の順に磨く |
耳掃除 | 週に1~2回 | ガーゼやコットンにイヤークリーナーをつけて、見える範囲を優しく拭く |
爪切り | 2~3週間に1回 | 血管の手前で、角を取るように切る |
シーズーのケアで毎日行ないたいのは、ブラッシング・目元のお手入れ・歯磨きの3つです。
シーズーは目が大きくて涙が出やすいため、目元のケアは欠かせません。
特に涙やけを放置すると、毛の変色や皮膚病につながりますので、濡らしたガーゼでしっかりふいてあげましょう。
歯磨きも、夜寝る前に毎日行ないたい習慣です。
味のいい歯磨きペーストがたくさん売られていますので、それを指に巻いたガーゼにつけて、前歯から奥歯へと磨いていきます。
慣れてきたら歯ブラシに移行してもOKですし、歯磨きが難しい場合はデンタルガムなどを活用するのもおすすめです。
垂れ耳のシーズーは耳垢が溜まりやすいため、週に1回くらいの頻度で耳掃除もしましょう。
ガーゼやコットンにイヤークリーナー(または精製水)を含ませて、見える範囲の耳の中をこすらず優しく拭きます。
爪切りは、散歩によく行く子と行かない子では必要な頻度が変わってきますが、どちらにしても月1回は必要です。
血管の数ミリ手前で、角がとがらないように2~3回角度を変えながら切りましょう。
難しい場合は、トリミングサロンにお任せしてもOKです。
ちなみに、シーズーはロングコート(フルコート)にする場合、トリミングは不要ですが、目に入らないように目元の毛だけカットするか、結んであげる必要があります。
シャンプーや爪切り、耳掃除だけサロンにやってもらうこともできますので、上手に利用してみてください。
⑤ 毎年のワクチン接種&定期的な健康診断を
0歳 | 生後6~8週 | 混合ワクチン1回目 |
---|---|---|
生後12週または1回目から3週間後 | 混合ワクチン2回目 | |
生後16週または前回から3週間後 | 混合ワクチン3回目 | |
すべての混合ワクチンが終了した4週間後 | 狂犬病ワクチン | |
1歳以降 | 春 | 狂犬病ワクチン |
春~秋 | フィラリア予防(飲み薬または注射) | |
春~秋 | ノミ・マダニ予防(飲み薬または滴下薬) | |
通年 | 混合ワクチン(1回) | |
通年 | 健康診断 |
犬を飼ったら忘れてはいけないのが、病気予防のためのワクチンや投薬です。
子犬の場合、混合ワクチン3回+狂犬病ワクチンが必要になります。
混合ワクチンの1回目や2回目は、ペットショップやブリーダーのところで受けている可能性がありますが、残りの接種は飼い主さんが忘れずに済ませましょう。
翌年以降は、混合ワクチンと狂犬病ワクチンそれぞれ年に1回ずつ必要です。
その他、温かい時期は蚊によるフィラリアを予防する薬や、ノミ・マダニ対策の薬の投与も必要となります。
さらに、年に1回の健康診断も受けておくと安心です。
症状がないうちから病気を早期発見できるように努めましょう。
シーズーに合ったしつけ方のコツ
✔常に一貫したしつけを行なう
✔子犬のころから甘やかしすぎない
シーズーは温厚で賢いため、しつけが入りやすい犬種ですが、一方で「頑固」「プライドが高い」などの一面もあります。
そんなシーズーに合ったしつけを心がけることが大切です。
まずは、基本的に「褒めてしつける」ということ。
「シートでトイレができた」「名前を呼んだらこっちに来た」など、小さなことでも成功するたびに大いに褒めてあげましょう。
逆に、叱りすぎるとプライドが傷ついていじけたり、飼い主さんとの信頼関係がうまく築けなくなったりする危険性があります。
また、「その時その時で言葉や態度を変えず、一貫したしつけを行なう」ことも大事です。
シーズーに限りませんが、犬は同じパターンを何度も繰り返すことで学習するため、ダメなことには毎回「ノー」を言う必要があります。
注意する時としない時があると、犬は混乱してしまい、なかなか覚えてくれません。
「待て」「お座り」「伏せ」などのコマンドの言葉も、家族間で統一しましょう。
プライドを大切にとは言っても、甘やかしすぎは禁物です。
シーズーは頑固なところがあり、納得できない時は指示を聞かなかったり、攻撃的になったりすることもあります。
特に子犬のころから甘やかしすぎると、自分の気に入らないことは頑として受け付けなくなってしまう可能性があるため、愛情は注ぎながらも「常に飼い主さんがイニシアチブをとる」ことを忘れずに。
これらのポイントを押さえておけば、シーズーは吠え癖や噛み癖も少なく、一緒に生活しやすいパートナーになってくれるはずです。
まとめ
✔シーズーは温厚で飼育しやすい犬種
✔トイレトレーニングは初日から根気よく
✔ワクチンと健康診断は毎年忘れずに
✔頑固な一面を踏まえたしつけを行なう