ブサかわ犬として人気の高いフレンチブルドッグは、平均寿命が10歳~12歳と犬の中でも短命な犬種です。
しかし飼い主さんとしては、迎え入れた大切な愛犬と少しでも長く一緒にいたいと思いますよね。
そこで今回は、フレンチブルドッグが長生きするためのコツや注意すべき病気について解説していきます。
平均寿命が短いフレンチブルドッグですが、しっかりサポートしてあげれば、元気に長生きする可能性は高まりますよ
フレンチブルドッグの平均寿命は10~12歳他犬種よりも短命な傾向にある…
犬種 | 平均寿命 |
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フレンチブルドッグ | 11.2歳 |
トイプードル | 15.2歳 |
チワワ | 13.8歳 |
ポメラニアン | 13.8歳 |
ミニチュアダックスフンド | 14.9歳 |
ミニチュア・シュナウザー | 13.4歳 |
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク | 12.9歳 |
柴犬 | 14.6歳 |
ゴールデン・レトリーバー | 11.0歳 |
ラブラドール・レトリーバー | 13.1歳 |
フレンチブルドッグの平均寿命は10歳~12歳と言われており、他犬種と比べると短命な犬種となっています。
アニコム家庭どうぶつ動物白書2019では、2017年度のアニコム損保のペット保険に加入した犬の平均寿命は14.0歳。フレンチブルドッグの平均寿命は11.2歳という結果でした。
犬は大型犬になるほど寿命が短い傾向にありますが、フレンチブルドッグは他の小~中型犬と比べて寿命が短いのが見てとれますね。
とは言え、短命なフレンチブルドッグでも、15歳以上生きている子も世の中にはいます。
愛犬とより長い間過ごすためにも、毎日の食事や運動、定期的な健康診断を受けるなど、可能な範囲でできることをしてあげましょう
健康に過ごせる生活環境を整えてあげることが、平均寿命よりも長生きしてすることに繋がります
何年でも一緒にいたいフレンチブルドッグが長生きするための6つのコツ
2.適度な運動をしてストレス発散をさせる
3.適切な温度管理をする
4.毎日ケアをして体を清潔に保つ
5.病気の早期発見・早期治療のために定期的な健康診断をする
6.年齢に合わせて生活環境を整える
フレンチブルドッグは短命な犬種ですが、飼い主としてはできる限り愛犬と一緒にいたいですよね。
ここではフレンチブルドッグが長生きするための6つのコツをご紹介いくので、愛犬が長く健康に過ごす為にも実践してみてください
1.栄養バランスの取れた食事に体重管理をしっかりする
当たり前のことではありますが、長生きにするためには栄養バランスの取れた食事は欠かせません。
ドッグフードには、ドッグフードと水だけで一日に必要な栄養素が摂取できる「総合栄養食」というものがあります。
総合栄養食は、ペットフード公正取引評議会の基準を満たしたドッグフードに表示されるので、一つの目安にするといいでしょう。
他にも「ヒューマングレードの食材を使用しているか」「添加物は含まれていないか」など、原材料と成分表を確認して選んでください。
また、「子犬」「成犬」「シニア犬」といった、犬のライフステージに合わせたドッグフードを与えましょう
フレンチブルドッグは食欲旺盛で肥満になりやすいので、エサの量には注意して、しっかり体重管理をしてあげてください
2.適度な運動をしてストレス発散をさせる
適度な運動は、ストレス発散・肥満防止などの効果があり、長く健康に過ごすためには必要不可欠です。
フレンチブルドッグは活発で遊ぶのが大好きな犬種ですが、長時間の散歩や運動は必要なく、1日2回10~20分程度で問題ありません。
むしろ運動のさせ過ぎは、呼吸が苦手なフレンチブルドッグにとって体に負担をかけてしまうので、飼い主さんがきちんとコントロールしてあげましょう
外に遊びにいけないときは、室内で一緒に遊んだり、スキンシップを増やしてあげてください
3.適切な温度管理をする
犬は、舌を出してハァハァと呼吸するパンティングという方法で体温調整をしますが、短頭種であるフレンチブルドッグはパンティングによる体温調整が苦手です。
そのため、飼い主さんが季節に合わせて「夏場は25度」「冬場は20度」を目安に温度管理をしてあげましょう
特に夏場は熱中症が起こりやすいので、お留守番をさせるときは、快適な室温に保ち、水を十分に準備するなどして対策をしてください。
また、夏場の散歩では、気温が高く日差しが強い日中を避けたり、ペースやコースにも気を付けましょう。
4.毎日ケアをして体を清潔に保つ
フレンチブルドッグは皮膚が弱く、清潔に保ってあげないと皮膚炎を起こすリスクが高まります。
顔のシワに汚れが溜まりやすいので、散歩の後は汚れを拭いてあげたり、月に1~2回、定期的にお風呂でシャンプーをしてあげましょう
また、毎日ブラッシングをすることで、花粉やノミ・ダニを取ることができ、皮膚炎の予防になります。
食事の後には、顔周りに付いている食べカスを拭いてあげるのに加えて、歯磨きや犬用歯磨きガムで、デンタルケアをしてください口腔疾患を防ぎ、長生きすることに繋がります。
毎日のケアは大変ですが、歯も体も清潔に保つことは健康に過ごす為に必要なので、しっかりやってあげましょう
5.病気の早期発見・早期治療のために定期的な健康診断をする
フレンチブルドッグが病気になってしまった時には、早期発見・早期治療が大切になってきます。
何か異変が感じられた場合に、すぐ獣医に見せることはもちろんのこと、定期的な健康診断を受けることも大切です。
人間のように言葉でコミュニケーションを取ることができないので、気付かない内に症状が進行していたり、症状が出るころには重症化していることもあります。
素人目には分からなくても、定期的に健康診断をしていれば、早期発見・早期治療ができて大事には至らずに済むこともあるでしょう
老化とともに病気のリスクは高まってくるので、成犬期までは年に1回、6歳以降のシニア期には年2回を目安に健康診断を受けてください。
6.年齢に合わせて生活環境を整える
いつまでも可愛いフレンチブルドッグも、見た目での変化は分かりにくいですが、年数を重ねるごとに、足腰や内臓の老化が始まって徐々に弱っていきます。
シニア期入ったら、寝ることが増え運動量が下がるので、高タンパク・低脂肪・低カロリーで消化のしやすいドッグフードに切り替えて、肥満を防ぎつつ内臓への負担を減らしましょう
また、散歩をするタイミングも変えていく必要があります。シニア期の散歩は運動というよりは、気分転換目的ですればいいので、嫌がったりあまり元気がなさそうなら無理に連れていく必要はありません。
散歩をする際は、呼吸器に負担をかけないようハーネスを利用して、自宅の周辺をゆったりとしたペースで歩いてあげましょう
年齢に合わせた生活環境を整えることで、より長く愛犬との時間を楽しめることに繋がります
フレンチブルドッグがかかりやすい注意すべき10つの病気…
フレンチブルドッグは犬の中でも、医療費が高くなりやすい犬種となっています。
かかりやすい病気も多いので、飼い主さんはどんな病気になりやすいのか理解しておきましょう。
知っていると、病気の対処や予防にも繋がるので大切なことです。
1.短頭種気道症候群
症状 | いびき、咳、激しいパンティング、嘔吐、呼吸困難、失神 |
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予防法 | 肥満にならないように体重管理。暑さで悪化しないよう温度管理。 |
短頭種気道症候群は、フレンチブルドッグのような短頭種がかかりやすい病気の一つです。
呼吸することが苦しくなり、軽度あればいびきや咳といった症状ですが、重症化すると呼吸困難になったり、失神してしまうことがあります。
自然治癒することはないので、症状が見られたら病気で診断をしてもらいましょう。
肥満による呼吸器への負担や暑さによって症状が悪化するので、日頃から体重管理・温度管理をきちんとしてください。
2.水頭症
症状 | 急に怒る、物にぶつかる、痙攣、パニック発作、斜視、四肢麻痺 |
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予防法 | 予防は難しい。早期発見・早期治療が重要。 |
水頭症は、先天性と後天性のものがあり、脳脊髄液が過剰に溜まり、脳や神経が圧迫させることで症状が出ます。
予防は難しく「頭が広すぎないか」「斜視ではないか」「性格異常・行動異常はないか」など、フレンチブルドッグの様子を確認しましょう。
日頃からフレンチブルドッグを様子を見ておくことが一番の予防になります。
何よりも早期発見・早期治療が重要になってくる病気なので、少しでも症状が見られたら病院で検査をしてもらいましょう。
3.アレルギー性皮膚炎
症状 | 皮膚が赤い、痒みがある、抜け毛、湿疹 |
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予防・対策法 | 毎日の皮膚チェック。体を清潔に保つ。 |
アレルギー性皮膚炎の主な原因として「食物」「ダニやノミ」「花粉」「ハウスダスト」などが挙げられます。
皮膚に赤みや痒みが出ると、フレンチブルドッグが搔いたり、嚙んだりして症状が悪化していくので、毎日皮膚チェックをして早期発見・早期治療ができるようにしましょう。
アレルギー性皮膚炎以外にも皮膚病は多く、原因も様々なので、完全な予防は難しいですが、体を清潔に保つことで皮膚病かかるリスクを減らすことができます。
万が一症状が見られた場合には、獣医に相談して対応をしていきましょう。
4.悪性腫瘍(がん)
症状 | 食欲不振、体重減少、しこり、体調不良 |
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予防・対策法 | 予防は難しい。定期的な健康診断。毎日のスキンシップと観察。 |
悪性腫瘍は老犬になるほど発症する確率が高まり、フレンチブルドッグの死因としても多い病気です。
フレンチブルドッグでは「肥満細胞腫」「リンパ腫」などが多く見られますが、いずれも徐々に進行していき、他の臓器へも転移していきます。
発見が遅れると手遅れになってしまうので、早期発見・早期治療が何より重要です。
なので、悪性腫瘍のリスクが高まるシニア犬は半年に1度健康診断を受けるようにしましょう。
また毎日スキンシップや観察をして、体にしこりが見つかれば悪性の可能性もあるので、病院で診断を受けてください。
5.椎間板ヘルニア
症状 | 抱き上げた時に悲鳴、足の麻痺、歩行困難 |
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予防・対策法 | 肥満にならないように体重管理。散歩では段差・坂道をゆっくり歩く。室内での段差でジャンプをさせない。 |
椎間板ヘルニアは、背骨にある椎間板が変形をすることで神経を圧迫し、強い痛みを引き起こします。
早期治療であれば鎮痛剤などで症状の緩和がはかれますが、重症となると手術が必要となり、その際の全身麻酔には大きなリスクが伴います。
予防するには体に負担をかけないことが重要で、骨や関節への負担が大きくなる肥満にはならないよう体重管理をしてください。
また、散歩コースに段差や坂道がある場合は、ゆっくり歩くようにしてあげましょう。
室内では階段やソファといった場所からジャンプをさせないよう、階段に柵を設置したり、ソファにペットステップを付けるなどの対策してください。
6.外耳炎・中耳炎・内耳炎
症状 | 耳を搔く、頭をふる、耳垢が膿のようで悪臭がする、食欲不振、嘔吐 |
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予防・対策法 | 耳を清潔に保つ。 |
外耳炎は細菌が繫殖して炎症を起こしている状態で、症状が悪化すると中耳炎・内耳炎と進行していきます。
炎症が波及して内耳炎までいくと、治療に時間がかかり、場合によっては手術が必要になります。
初期段階と言える外耳炎を予防するために、専用の洗浄液とコットンを使って定期的に正しく耳掃除をしてあげてください
日頃から、耳の臭いのチェックであったり、耳を気にしていないかなど様子を見て、外耳炎の症状にいち早く気付けるようにしましょう。
7.熱中症
症状 | 食欲不振、呼吸が速い、よだれが増える、痙攣、嘔吐 |
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予防・対策法 | 温度管理を徹底する。こまめに給水をさせる。 |
短頭種であるフレンチブルドッグは呼吸による体温調整が苦手な犬種です。
その為、夏場の暑い時期は熱中症の危険が特に高まるので、徹底した温度管理をしましょう。
「冷房を付けて室温を25度程度に保つ」「室内に日陰になる場所を作って直射日光避ける」「冷たい水を用意してこまめに給水する」などの方法で、熱中症は予防できます。
熱中症は最悪、命を落とすこともあるので、夏場でなくても暑くなってきたら熱中症には気を付けてください。
8.膝蓋骨脱臼
症状 | スキップのような歩き方、足を浮かせて歩く、骨の変形、歩行困難 |
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予防・対策法 | 肥満にならないように体重管理。適度な運動で筋力を付ける。フローリングをやめる。 |
膝蓋骨脱臼は、膝の関節のお皿が脱臼して正常な位置からずれてしまった状態の病気です。
症状はグレード1~4まであり、重症になると普通に歩くことが困難になってしまいます。
フレンチブルドッグは遺伝的に膝蓋骨脱臼を起こしやすい犬種とされていて、予防は難しい部分もありますが、関節になるべく負担をかけないようにして症状の悪化させないようにしましょう
「体重管理をして肥満にさせない」「適度な運動で筋力を付ける」「フローリングをやめ滑りにくい素材にする」といった対策で、関節への負担を減らすことができます。
9.第三眼瞼腺脱出(チェリーアイ)
症状 | 第三眼瞼が飛び出して赤く腫れている、涙が多い、目が充血している |
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予防・対策法 | 予防は難しい。症状が出たらすぐ病院へ。 |
第三眼瞼腺脱出は、第三眼瞼が飛び出して赤く腫れている状態で、見た目がさくらんぼのように見えることから「チェリーアイ」と呼ばれています。
目の外傷による後天的なものもありますが、遺伝が要因により先天的なことが多く、予防をするのは難しいです。
症状は第三眼瞼が赤く腫れて飛び出していて分かりやすいので、気が付いたらすぐに病院で診断してもらいましょう。
放置をしておくと、結膜炎や角膜炎といった病気を併発する可能性があります。
10.異物誤飲
症状 | 呼吸の乱れ、食欲不振、嘔吐 |
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予防法 | 犬の目の届くところに危険なものを置かない。トレーニングをする。 |
異物誤飲は病気ではないですが、異物誤飲の事故はフレンチブルドッグで非常に多いです。
道端に落ちている食べ物やタバコ、おもちゃ、ティッシュ、輪ゴムなど、飲み込めてしまうものは、誤飲してしまう可能性が高くなります。
常に犬を見ていることは不可能なので、飲み込む危険があるものは、遠ざけるように徹底しましょう。
口に加えたものは無理やり取ろうとするのではなく、口から出すトレーニングをしておくと、咄嗟の場面で事故を防ぐことができます。
万が一に異物誤飲をしてしまったり、様子がおかしいようならすぐに病院へ連れていきましょう。
まとめ
・フレンチブルドッグは他の犬種比べて寿命は短い…
・フレンチブルドッグの長生きのコツは「栄養バランスの取れた食事」「適度な運動」「適切な温度管理」「体を清潔に保つ」「病気の早期発見・早期治療」「年齢に合わせた生活環境」の6つ
・フレンチブルドッグはかかりやすい病気が多く注意が必要…
今回はフレンチブルドッグの寿命・長生きのコツ、注意すべき病気についてご紹介しました。
フレンチブルドッグの平均寿命は10歳~12歳で、他の犬種比べて寿命が短いです。
それでも、健康の基本となる食事や運動の管理、体温調整は苦手な分、温度管理をきちんとしたり、毎日のケアなどをしてあげれば、長生きすることができます
また、万が一病気になってしまった場合は、早期発見・早期治療が重要です
フレンチブルドッグはかかりやすい病気について理解しておくこと、早期発見・早期治療できる可能性が高くなるでしょう
日頃の積み重ねがフレンチブルドッグが健康に繋がるので、今回の記事を参考に長く愛犬との幸せな時間を過ごしてください