小さな体にウルウルの瞳が魅力的なチワワ。多頭飼いに憧れている人は多いのではないでしょうか。チワワは体が小さいため手入れが少なく、また、賢くしつけがしやすいため多頭飼いに向いている犬種です。
この記事では、チワワの多頭飼いの魅力や楽しさ、そして実際に多頭飼いを始めるに当たって必要な心構えや崩壊を防ぐための注意点などをご紹介していきます。
「チワワを多頭飼いしたいな」「先住犬と仲良くできるかな」と不安に思う人はぜひ最後までごらんくださいね。
チワワ多頭飼いの2つの魅力
チワワを飼う人にとって多頭飼いは憧れですよね。コロコロと楽しそうに遊ぶ姿を見るだけで飼い主は幸せな気持ちになれます。そんなチワワの多頭飼いには犬にとってどのような魅力があるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
1:愛犬に寂しい思いをさせないで済む
多頭飼いの魅力のひとつに、「愛犬に寂しい思いをさせないで済む」という理由があげられます。
たとえば、ずっと誰かが家にいる場合をのぞき、多くの人は仕事のために外へ出かけることが多いはず。そんなときでも、多頭飼いであれば愛犬をひとりぼっちにさせないで済みますよね。
飼っているのが1頭だけだと、留守にしている間は何をしているのか、寂しがっていないかなど気になるものですが、多頭飼いなら犬同士寂しさを分け合うこともできるでしょう。
特に小さい頃から多頭飼いに慣らしておくことで、まるで本物の兄弟のような絆が生まれるでしょうし、たとえ大きくなってから多頭飼いにした場合でも、相性がよければ家族としての関係性を築くことができます。
いずれにしても愛犬に寂しい思いをさせないで済むのが多頭飼いのひとつめの魅力だといえます。
2:犬同士遊びながら社会性を身に付けられる
多頭飼いの2つ目の魅力として、多頭飼いをすると犬社会のおきてともいうべき社会性を身に付けることができるという点があげられます。
犬は人間と暮らしていくルールや、犬同士の社会性を人間からだけではなく犬からも学びます。
犬は本来噛む動物ですが、人間と暮らしていくために、たとえば「これ以上噛むと痛い」というルールを自分が噛まれることでしか学ぶことができません。人間が犬を噛んで教えることはできないため、こうした人間と暮らしていくためのルールは犬から学ぶ必要があるのです。
ペットショップにいる子犬たちは、犬同士の社会性を身に付ける前に親犬や兄弟犬から離されてしまいます。そのため、どの程度噛めば痛いのか、犬との関係性はどのように築けばいいのかわからないまま家庭犬として迎えられます。
多頭飼いは人間との暮らし方、犬同士の社会性を犬同士遊びながら身に付けることができるため、飼い主にとって魅力のひとつといえるでしょう。
チワワ多頭飼いの3つの心構え
飼い主にとっても愛犬にとっても魅力的な多頭飼いですが、実際に多頭飼いを始めるにあたって何に気をつければ良いのかを見ていきましょう。
1:ケージやトイレを複数おける程度の空間の余裕
いくら世界一小さな犬といわれるチワワでも、複数頭飼うとなればある程度のスペースが必要になります。頭数分の愛犬のベッド、食器を置く場所、室内用トイレ、遊ぶスペースは確保できますか?
特にマンションなどの集合住宅でチワワを飼っているときは、今のスペースで2頭以上の飼育が可能かどうかをよく考えておきましょう。
2:複数頭の食事や予防薬を安心して用意できるほどの経済的な余裕
チワワを多頭飼いするなら、経済的な余裕についても検討しておく必要があります。1頭ではそれほど負担に思わなかった食費も、2頭以上になれば負担に思うかもしれません。
また、フィラリア症予防の薬やノミ・マダニ予防薬、毎年必要な予防接種のワクチン費用に加え、ハーネスやリード、洋服、ペット保険の掛け金なども頭数分必要になります。
そのうえ、年を重ねるとどんな動物も病気がちになるため、治療費が大きな負担となることもあるでしょう。
多頭飼いの魅力と経済的な負担を天秤にかけて少しでも負担を感じるなら多頭飼いを諦めるなど、飼ってから失敗したと思わないよう、経済的な余裕についてしっかり検討しておきましょう。
3:お世話の時間が倍以上になっても大丈夫な時間的な余裕
犬との暮らしはとても楽しいものですが、多頭飼いになると、1頭で飼育していた頃より多くの時間を必要とします。
たとえば、多頭飼い当初は別々に散歩に行かなければならなかったり、トイレの世話は お手入れの時間も頭数分必要だったりします。
家族それぞれで分担してお世話ができればいいのですが、そうでない場合は、チワワのお世話をすべて1人でしなければなりません。「忙しくて散歩に行けなくなった」「愛犬の健康管理まで時間的な余裕がない」といったことのないよう、多頭飼いを始める前に時間的な余裕についてよく考えておきましょう。
チワワ多頭飼い失敗や崩壊を防ぐための大切な3つのポイント
「チワワを多頭飼いして幸せに暮らせると思っていたのに…」「こんなはずじゃなかった…」ということのないよう、チワワ多頭飼いの失敗や崩壊を防ぐための大切なポイントを3つご紹介します。
1:先住犬との相性がいいかどうか
人間にも相性があるように、犬にも相性があります。新しいチワワをお迎えするなら、必ず先住犬との相性を確かめましょう。
相性が悪く、お互い仲良くなれないために先住犬の元気がなくなってしまったり、逆に新しいコをいじめてしまったりといった事があります。なかには大きなストレスを抱えてしまって体調を崩すコもいるほど、相性はとてもナイーブなものです。
また、一見すると仲良くしているように見えても、先住犬が以前のように元気に遊び回らずなにか我慢しているような素振りを見せたり、反対にケンカばかりしていたり…。
先住犬がいるなら、新しいコをお迎えする前に必ず数回会わせてみて相性を確かめるようにしましょう。
2:オス同士?メス同士?それとも異性?
多頭飼いをするなら、オス同士がいいのか、メス同士がいいのかそれとも異性がいいのか悩むのではないでしょうか。オスは縄張り意識がとても強いため、できればオス同士は避けた方が無難です。
また、メス同士で仲良くしている場合もありますが、どちらかというと他の犬を家族として認めないといった行動に出る場合があります。
初めて多頭飼いをするなら、去勢をしたオスとメスの組み合わせがベターだといえます。
3:年齢差は先住犬が4~5歳がベスト
チワワを多頭飼いするなら、先住犬との年齢差も考えておきましょう。
多頭飼いをしたいと考える人のなかには、「ある程度の年齢になった先住犬のために新しいコをお迎えしたい」いった人が多いですよね。
けれど、シニア犬と子犬では運動量がまったく異なるため、先住犬が子犬のパワーに負けてしまいストレスを与えてしまう可能性があります。
多頭飼いをする場合は子犬のときから同時に飼うか、もしくは先住犬が4~5歳の体力がまだある程度残っている年齢で新しいコをお迎えするとちょうど良いでしょう。
チワワ同士が仲良く暮らすための3つポイント
新たにチワワをお迎えして憧れの多頭飼い生活を送るため、そしてチワワ同士が仲良く暮らせるためのポイントを3つご紹介します。
1:なにがあっても先住犬が最優先
チワワ同士が仲良く暮らしていくために、飼い主は必ず何があっても先住犬を最優先で考えてあげましょう。
たとえば、食事やおやつをあげる場合は、まず先住犬に与えてから次に新しいコに与えるようにします。スキンシップも先住犬を優先し、まず先住犬を抱っこしたりなでてあげたりしてください。そうすることで犬同士の順位がつくことになり、新しいコに「先住犬のほうが偉いんだよ」ということを教えてあげることができます。
先住犬はこれまで飼い主の愛情を独り占めしてきたわけですから、飼い主が常に先住犬を優先することで先住犬への愛情が変わらないことを伝えられます。こうすることで先住犬はストレスを感じることがありません。その結果、チワワ同士が仲良く暮らせるようになります。
2:ケージや散歩は慣れるまで別々に
新しくチワワをお迎えしたなら、チワワ同士が仲良くなるまではケージや散歩は別々のほうが無難です。
犬は本来群れで行動する生き物ですが、相性が悪ければ一緒に行動することはできません。お互いの存在を認められるようになるまではケージを離しておきましょう。慣れてくれば一緒に寝たり、お互いのケージのなかで遊んだりするようになります。
また、慣れるまでは朝晩の散歩も別々に行った方が良いでしょう。単純に時間的な負担は頭数分だけ増えますが、チワワ同士が仲良く暮らしてもらうために家族で話し合って別々でお散歩に行く時間を決めるなどの工夫をしてみてください。
3:食事はそれぞれのケージで
チワワ同士仲良く暮らしてもらうために、頭数分それぞれのケージを用意しておき、食事はそれぞれのケージのなかで与えるようにしましょう。そうすることで、ご飯の取り合いを防いだり、ケンカになったりするのを防ぐことができます。
また、食事をケージの中で与えることで、ケージを怖がるコに「ケージは安心できる場所なんだよ」と教えてあげることもできます。
食事を与える場合も、まずは先住犬から与えることを忘れないようにしてくださいね。
まとめ
・チワワ多頭飼いは社会性を身に付けることができる
・チワワを多頭飼いするなら、「空間」「経済的」「時間」の余裕を考えよう
・チワワ多頭飼いの失敗や崩壊を防ぐには、相性や年齢差、性別を考えよう
・チワワ同士が仲良く暮らすために、先住犬を最優先にし、慣れるまではケージや散歩は別々に