チワワにサマーカットは不要 3つのメリット・4つのデメリットを全解説

夏の暑い季節になると、毛を短く刈り込んだサマーカットをしているチワワをよく見かけます。高温多湿の日本では、全身毛むくじゃらの犬にはとてもつらい季節のように思いますよね。

けれど、暑そうだという理由だけで毛を刈ってもいいのでしょうか。見た目だけが涼しくなるばかりで、毛を刈ることのデメリットはないのでしょうか。

今回は、誤解の多いチワワのサマーカットについて、そのメリット・デメリットについて解説していきます。

暑い季節、愛犬のチワワをサマーカットにしようか悩んでいた人はぜひ参考にしてくださいね。

チワワにサマーカットは不要な理由は「皮膚を保護できなくなるから」

結論からいうと、チワワにサマーカットは必要ありません。その理由は皮膚を保護できなくなるからです。

犬の毛は皮膚を守ったり、体温を調整したりといった役割を担っています。

そのため、バリカンで毛を短く刈ってしまうとそれらの役目を果たせません。そればかりか、毛質が変わってしまうこともあります。

暑そうに見えるからといってバリカンで毛を刈るのではなく、見た目を涼しくするために飾り毛をカットしたり、体温がこもってしまうのを防ぐためにこまめにブラッシングをして抜け毛を減らすなどの対処をしましょう。

チワワのサマーカット3つのメリット

①涼しげに見える
②シャンプーが楽になる
③ブラッシング時の抜け毛が少なくなる

チワワにサマーカットを施すことで、このような3つのメリットがあります。

しかし、これらのメリットはすべて飼い主にとってのメリットだということにお気づきでしょうか。チワワにとってのメリットはひとつもないのがわかりますよね。

チワワに限らず犬のサマーカットには賛否両論があり、なかにはサマーカットをすると蒸れや汚れを防げるため皮膚疾患にかかりにくくなるといった意見もあります。

ただ、サマーカットには次にご紹介するデメリットもいくつかあるため、愛犬にとって本当にサマーカットが必要なのかどうかを見極める必要があるでしょう。

チワワのサマーカット4つのデメリット…

①紫外線の刺激やエアコンの冷風が皮膚に届きやすくなる
②体温調節ができなくなる
③物理的に外部からの刺激にさらされる
④毛質が変わってしまう

このように、チワワのサマーカットには4つのデメリットがあります。

毛をバリカンで短くすると、紫外線の刺激が直接皮膚に届きやすくなるため、熱中症になってしまうことがあります。

また、チワワは暑い国メキシコ原産のため、寒さには弱い犬です。サマーカットをするなら、エアコンの冷風が直接皮膚にあたって体が冷えないよう洋服を着せるなどしましょう。

さらに、これまで毛に守られていた皮膚は、急に毛がなくなると体温調節ができなくなったり、物理的に外部からの刺激でケガをしやすくなったりします。

そのうえ、バリカンを使うと以前のようなサラサラした毛が生えず、ゴワゴワした毛が生えてくることがあります。どうしても毛を短くしたい場合は、これらのデメリットを考慮し、バリカンを使わずハサミで短くカットするようにしましょう。

チワワのサマーカット以外の可愛いカットを紹介

チワワのサマーカットのメリット・デメリットがわかったところで、ここからはサマーカット以外の可愛いカットをいくつかご紹介していきましょう。

バリカンで毛を刈らなくても、ハサミで可愛く演出することが可能ですよ。

1:たぬきカット

コロコロのかわいいたぬきに見えるようにするカットがたぬきカットです。耳の毛も丸く見えるようにカットし、頬の毛も丸くカットしています。飾り毛をカットしているだけですので、犬には負担はありません。

余分な毛をカットすることで、若返って見えるメリットもありますよ。

2:ライオンカット


オスのライオンのように見えるライオンカット。たてがみを演出するように、胸と肩甲骨のあたりは毛を残し、背中からお腹周りと足は短くカットしています。

また、ライオンらしく、尻尾の先に丸く毛を残すのもライオンカットの可愛さのポイント♪

ただし、前述の通り、毛をバリカンで刈ることのデメリットを把握してライオンカットにするか、短くする際にはハサミでカットするなどの配慮をしましょう。

3:柴犬風カット


まるで柴犬のように見えるカットが柴犬風カットです。チワワは体が小さいので、柴犬というより豆柴ですよね♪

シャキッとした立ち耳を演出するために、耳の飾り毛をカット。頬は丸く仕上げています。

ボディも柴犬風になるように、ハサミでカットしているのでスッキリ仕上がっていますよ。

4:ミッキーカット

チワワの特徴である大きな耳をさらに引き立てて、まるでミッキーマウスのようにカットするのがミッキーマウスカットです。

ミッキーマウスの耳に見えるよう、耳の飾り毛を丸く仕上げるのがポイント♪

体の毛もハサミでスッキリさせると、よりミッキーマウス感が出ますよ。

失敗なし自宅でのチワワのサマーカットのやり方を3ステップで解説

チワワはトイプードルやシュナウザーとは異なり、基本的にトリミングが不要な犬種です。

また、前述したようなサマーカットのメリット・デメリットを把握したうえでおこなうことが大切。ここでは、チワワの自宅での簡単なサマーカットのやり方について解説します。

1:全体の毛をブラッシングする

まず、サマーカットをする前に全体をきれいにブラッシングしましょう。

ブラッシングは毛のもつれをほどき、抜け毛やある程度の毛の汚れを取り除く効果があります。

また、ブラッシングによって皮膚の新陳代謝を促進することができたり、毛並みを整えたりすることができます。この後、毛をカットするときに毛並みが整っているとカットしやすいですよ。

2:肉球の間の毛と肛門まわりの毛をハサミやバリカンで刈る

ブラッシングが終わったら、次に肉球周りの毛と肛門まわりの毛をハサミやバリカンでカットします。

特に肛門まわりの毛をカットすると便が毛に付着するのを防ぐため清潔な状態をキープできます。

肉球周りの毛は無理に肉球の間の毛を切らずに、はみ出た毛をカットする程度にしておきましょう。転倒防止のために常に短くしておくと安心です。

また、肛門まわりの毛は夏だけではなく、いつでも清潔にするために他の季節でもカットしてあげることをおすすめします。

3:飾り毛を短くカットする

最後に体全体の毛をカットしていきます。

自宅でサマーカットをする場合は全体のボリュームを抑えるというより、飾り毛をカットしたり毛の先端を揃えたりすると失敗がありません。

毛をカットするときは、毛を指で挟んで、指の先に出た毛をカットすると間違って皮膚を切らずに安心です。

耳周りや手足の飾り毛、尻尾の毛をカットするだけでもかなりスッキリしますよ。

ただし、自宅でカットする場合はプロのような仕上がりを求めるのは難しいもの。くれぐれもケガをさせることのないよう注意しながらカットをしましょう。

まとめ

・基本的にチワワにはサマーカットは不要
・サマーカットをすると、皮膚を保護できなくなる
・サマーカットのメリットは、涼しげに見えたり手入れが楽になったりすること
・サマーカットのデメリットは、紫外線の刺激やエアコンの冷風が皮膚に届きやすくなる
・サマーカットをすると体温調節ができなくなったり、外部からの刺激にさらされる
・サマーカットは毛質が変わってしまうこともある
・自宅でサマーカットをする場合は、飾り毛や毛先をカットするだけでもスッキリする
今回は、チワワにサマーカットが不要だという理由と、サマーカットのメリット・デメリットを解説してきました。
メリットは涼しげに見えたり、飼い主さんが手入れが楽になることのみで、犬にとってのメリットはほとんどありません。
また、チワワはもともとトリミングが必要な犬種ではないため、カットをするデメリットもきちんと把握しておく必要があります。
自宅でサマーカットをする場合はくれぐれもケガに注意し、できそうにないと思ったら無理せずプロに依頼するなどしましょう。