ウルウルとしたつぶらな瞳で見つめてくる愛らしいチワワ。からだがとても小さいため、弱々しく寿命が短いイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
実は、チワワは犬のなかではとても寿命が長く、大切に飼育すれば20歳を超えることもあるほど長生きができる犬種です。
今回は、チワワの平均寿命や長生きのコツ、そして注意すべき病気をくわしく解説しています。かわいい愛犬チワワに少しでも長く生きて欲しいと思う方はぜひ参考にしてくださいね。
チワワの平均寿命は10~16歳人間の年齢に例えると約58~82歳
犬種 | 平均寿命 |
---|---|
チワワ | 13.7歳 |
ポメラニアン | 13.4歳 |
パピヨン | 14.4歳 |
トイプードル | 14.7歳 |
ミニチュアダックスフンド | 14.7歳 |
人間(男性) | 81.41歳 |
人間(女性) | 87.45歳 |
チワワの平均寿命は10~16歳といわれています。犬は人よりも早く歳をとるため、人間に換算すると58~82歳になります。仮に20歳まで生きたとすると、人間では95歳とかなり長寿ですね。
小型犬の生後1年半で20歳になり、それ以降は1年で人間の4年くらいの年月に相当します。つまり、人間より4倍も老化のスピードが早く感じられるのです。どんなときも大事に過ごさせてあげたいと思いますよね。
また、ペット保険のアニコムが2016年に調査した犬種別の平均寿命によると、チワワの平均寿命は13.7歳でした。犬は体が大きければ大きいほど寿命が短いと言われていますが、超小型犬といわれている犬より、少しからだの大きな小型犬の方が長生きだというデータもあります。
たとえば、超小型犬のチワワの平均寿命は13.7歳ですが、小型犬の人気犬種ミニチュアダックスフンドは14.7歳です。たった1年の違いですが、人より早く時間が過ぎていく犬にとっての1年はとても貴重な1年といえるでしょう。
こうして比較してみると、小型犬のトイプードルやミニチュアダックスフンドより超小型犬のチワワはやや短命であることがよくわかります。
からだにいい食事を与え、チワワが過ごしやすい環境に整えるなどして少しでも長く生きてほしいものですね。
チワワのギネス最高齢は驚きの20歳…?
チワワの長寿記録はギネスブックに掲載されており、なんと20歳8ヵ月また日本では26歳まで生きた犬がいるそうです。人間に換算するとなんと126歳とても愛されていたのでしょうね。
ただし、これはあくまでも一例であって、チワワの平均寿命から見るとどのチワワでも26歳まで長生きできるかといえば難しいでしょう。
とはいえ、チワワを飼っている方の飼育ブログには20歳前後まで生きてくれたという記録もありますので、長生きを目指すのも可能な犬種だといえます。
ちなみに、ギネスブックには小型犬ではプードルの28歳、中型犬ではオーストラリアンキャトルドッグの29歳5ヵ月という長寿記録が残っているそうです。
参考:Wikipedia「List of longest living dogs」
チワワに長生きしてもらうための5つのコツ
ここからは、かわいいチワワに少しでも長生きしてもらうためのコツを5つご紹介していきますね。
1:体重管理
遺伝や体質によって個体差はありますが、チワワの平均体重は1.5㎏~3㎏といわれています。ただ、平均体重を超えていても、チワワを上から見たときにウエストにくびれがあり、なだらかな曲線を描いているなら問題ありません。
また、チワワを触ったときに、あばら骨が確認できるならOKあばら骨にすぐ触れるようなら痩せ気味、いくら触ってもあばら骨が確認できないなら太り気味といえます。
さらに、去勢や避妊手術を受けるとホルモンの影響で肥満傾向になりがちなので、太らせないよう食事に気をつけたり運動量を増やしたりして理想の体重をキープできるようにしましょう。
2:定期的な健康診断
犬も人と同じように、病気に対しては早期発見・早期治療がとても大切です。人の場合は具合の悪いところを言葉にして医者に伝えることができますが、犬はそれができないため症状が出る頃には病気が進行している可能性があります。
手遅れにならないために、老齢期より病気が少ないといわれている成犬期でも1年に1回の定期的な健康診断を受けるようにしましょう。
健康診断は、血液検査、糞尿検査、身体検査のほか、必要があればエコー検査なども含まれます。日頃から信頼できるかかりつけ医を見つけておくと安心ですね。
3:デンタルケア
「犬にもデンタルケアが必要なの?」と思われがちですが、昔と違って平均寿命が伸びている犬にも適切なデンタルケアは必要です。
デンタルケアを怠ると、3歳までの80%以上の犬が歯肉炎や歯槽膿漏などなんらかの口腔疾患の兆候があるといわれています。
- 口臭
- 歯茎の変色や出血
- 歯石
- 口周りの毛の変色
- よだれ
これらの症状が出る前に、しっかりとデンタルケアをおこないましょう。
デンタルケアは、歯ブラシでいきなりゴシゴシすると怖がるコがいますので、まずは口周りを触ることに慣れさせ、その後、指に巻いたガーゼで歯をやさしくみがきましょう。慣れてきたら小さな歯ブラシで磨いていきます。
毎日のデンタルケアにプラスして、1年に1回の定期検診時に獣医さんに口腔内もチェックしてもらうとよいでしょう。
4:年間の室温管理
チワワはスムースコート、ロングコートにかかわらず寒さにとても弱い犬種です。そのため散歩時はもちろんのこと、家の中では適温を保ち、愛犬が過ごしやすい室温にしておくよう心がけましょう。
特に冬の就寝時に暖房を切ってしまうお宅が多いのですが、朝まで冷えた空間で過ごすことのないよう、夜間でもチワワにとって快適な室温を保つようにしてください。年齢などの個体差がありますが、体が小さく、短毛のチワワの場合は概ね通年25℃になるよう室温を保ちましょう。
また、体温を維持するためにあたたかい洋服を着せてあげることも寒さ対策に有効です。
5:ストレスケア
体が小さなチワワにとって、運動量を求めるための散歩は必須ではありません。室内で遊ぶだけでも十分な運動量を確保できるでしょう。
しかし、他の犬との交流や外の空気に触れることは愛犬にとってストレス解消となります。
散歩は社会性を学ぶうえでも大変重要ですので、10分~20分程度お散歩へ連れていき、ストレスを発散させてあげましょう。
チワワのかかりやすい4つの病気についても理解しておこう…
活発でいきいきとした姿が愛らしいチワワですが、チワワがかかりやすい病気を事前に知っておくことで、早期発見・早期治療につながります。
ここでは、チワワが発症しやすい代表的な病気について解説します。
1:心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓のなかで弁が閉じなくなり、血液の一部が逆流してしまうことで全身に血液を届けられなくなる病気です。高齢の小型犬に多く、2020年アニコム家庭どうぶつ白書によるとチワワの弁膜症は他の犬種に比べて発症が突出しています。
初期の段階では無症状が多く、定期的な健康診断で心臓の雑音によって発見されることが多いです。しかし症状が進むと咳が出たり、疲れやすくなったり、痩せてきたり、さらに進行すると肺水腫や不整脈を起こし最悪の場合心不全を起こして突然死することもあります。
早期発見・早期治療がとても大切ですので、1年に1回の定期的な健康診断を忘れずにおこないましょう。
2:水頭症
チワワはアップルヘッドといわれる独特の丸い頭をしていることから、水頭症を発症しやすい犬種です。水頭症には先天性の奇形が原因の場合と脳腫瘍などの後天性のものがあります。
水頭症の症状はけいれんや麻痺、発作、元気がなく疲れやすい、嗜眠(起こさなければいつまでも寝ている)、眼球振とう(意思に関係なく目が動くこと)などがあります。
万一水頭症と診断されてしまった場合は脳圧を下げるための投薬治療や手術などの外科的治療がありますが完治が非常に難しい病気です。予防法は定期的な健康診断による早期発見や、自宅での普段の行動や動作チェックしかありません。
上記のような症状が出た場合には、早めに動物病院へ行かれることをおすすめします。
3:膝蓋骨脱臼
後ろ足の「ひざの皿のような骨」が正常な位置からずれることを膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)といい、チワワなどの小型犬に多い病気です。
膝蓋骨脱臼には先天性のものと、外傷などの後天性のものがあります。
膝蓋骨脱臼には症状によってステージがあり、ときどきスキップするような歩行をする軽傷の場合と、地面に足をつけないような歩き方になる重傷の場合があります。軽傷の場合は一時的に痛みを緩和する治療が行われますが根本的に治療するには外科手術が必要です。
膝蓋骨脱臼にならないために、フローリングで滑らないようにすることや、肥満にさせない、骨に関する栄養障害を起こさないよう食事に気をつける、ジャンプなどの過度な運動を避けるなどの予防策を徹底しましょう。
4:気管虚脱
気管が押しつぶされたような形に変形し、呼吸障害が起こる病気を気管虚脱(きかんきょだつ)といいます。チワワのような小型犬に多く、若い犬でも発症することがあります。
原因はハッキリとわかっていませんが、肥満や老化が原因ではないかといわれいて、アヒルのような声で呼吸をしたり、咳が出たりします。重度の場合は呼吸困難を起こして失神する場合もあります。
軽傷の場合は気管拡張薬や咳止め投与などの治療をおこないますが、重度の場合には外科手術をおこなうことも…。
日頃から体重管理に気をつけたり、散歩のときには首輪ではなくハーネスを利用するなどして首に負担をかけないようにしましょう。
まとめ
・人間に換算すると58~82歳
・チワワに長生きしてもらうために5つのコツ
1:体重管理
2:定期的な健康診断
3:デンタルケア
4:年間の室温管理
5:ストレスケア
・チワワのかかりやすい4つの病気に気をつけよう
1:心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)
2:水頭症
3:膝蓋骨脱臼
4:気管虚脱
愛犬にはできるだけ健やかに楽しく過ごさせてあげたいですよね。チワワの平均寿命は10~16歳ですが、病気やケガに注意して飼育すれば20年以上も一緒に過ごすのは夢ではありません。
若いころから定期的な健康診断を心がけ、運動や毎日の食事にも気を配りましょう。