キャバリアの寿命は約9~14歳長生きのコツと気をつけておきたい病気を完全解説

穏やかで明るい性格のキャバリア。垂れたお耳と艶のある被毛が特徴的でかわいいですよね。

かわいい愛犬にできるだけ元気で長生きしてもらうにはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。

この記事ではキャバリアの平均寿命を知ったうえで、気をつけておきたい病気や長生きのコツをお伝えします。

愛犬とできるだけ長く一緒に過ごすためにぜひ参考にしてください。

キャバリアの平均寿命は約9~14歳人間に例えると52歳~72歳

大きさ超小型犬小型犬中型犬大型犬超大型犬
体重5kg以下5~10kg10~20kg20~40kg40kg以上
平均寿命13.8歳14.2歳13.6歳12.5歳10.6歳

参考:アニコム損保 

上記の表は、2016年にどうぶつ保険のアニコム損害保険がおこなった犬の平均寿命の調査結果です。

一般的に犬は体が大きいほど短命で、小さくなるほど長生きだといわれていますが、調査結果では超小型犬より小型犬の方が少し平均寿命が長いことがわかります。

キャバリアは小型犬に分類されるため平均寿命は長いはずですが、キャバリアの平均寿命は約9歳~14歳と幅があり、やや短命であることが分かります。

人間に換算すると、約52歳~72歳ですので、やはり短命であるといえるでしょう。その理由はキャバリアが患いやすい心臓病があげられます。

ただし、すべてのキャバリアが心臓病にかかり短命になってしまうとは言い切れず、なかには長生きする子もいます。平均すると9歳~14歳ということですので、個体によって異なるいうことですね。

キャバリアに長生きしてもらうための5つのコツ

かわいい愛犬にできるだけ元気に長生きしてもらうために、愛犬の健康管理をしっかりおこないましょう。ここでは、キャバリアに長生きしてもらうためのコツを5つご紹介します。

1:良質なフードを成長ステージにあわせて適量与える

キャバリアの健康の基本は、栄養バランスに優れたフードを適量与えることです。

キャバリアは心臓疾患にかかる子が多く、肥満は大敵です。成長ステージに合わせた良質なフードを適量を与えるようにしましょう。

また、合成保存料や着色料などが含まれていない、安全なフードを選ぶようにしてください。

市販の安価なフードは、かさを増やすために穀物をたくさん配合していたり、見た目を良く見せるために着色料が使われていたりします。

犬に見た目の良さは必要なく、健康な体を育むにはむしろ着色料は不要です。

高ければ良いというものではありませんが、高価なフードは新鮮な材料を使用し、保存料も天然のものにこだわるなど、高いなりの理由があります。愛犬の健康を考えるなら、できるだけからだに優しい良質なフードを与えるようにしましょう。

2:適度な運動をして肥満予防

キャバリアは食いしん坊が多いので、肥満になりやすいといえます。

朝晩のお散歩は肥満予防や運動不足解消、そしてストレス発散のために非常に重要な役目を担っています。

できるなら朝晩それぞれ30分程度お散歩してあげましょう。悪天候の日は室内でボール遊びをしたり、おもちゃの引っ張りっこをして遊んであげると運動不足解消になります。

愛犬の健康を維持するためにも、ぜひ朝晩過ごしやすい時間帯のお散歩を習慣化してあげてくださいね。

3:デンタルケア

愛犬の健康を維持するために、食事のあとは必ず歯を磨いてあげましょう。

長生きのためにデンタルケアは必須です。

歯磨きを怠ると、3歳までに約80%の犬がなんらかの口腔疾患の兆候があるといわれています。

いきなり歯ブラシを口に入れると怖がったり嫌がったりするので、最初は口のまわりを触らせることに慣らして、慣れてきたら指にガーゼを巻いて歯を磨いてあげます。ガーゼにも慣れてきたら、歯ブラシに切り替えて歯を磨いてあげましょう。

うまく歯磨きができない場合は、市販のデンタルケアグッズをじょうずに利用してみてください。

参考:犬の歯医者さん

4:こまめなお手入れやブラッシング

愛犬の健康を維持するためにも、こまめなお手入れやブラッシングが必要です。

キャバリアのような垂れ耳の犬種は、立ち耳の犬種より耳の中が蒸れやすいため、外耳炎などの炎症を起こしてしまう傾向にあります。

ときどき耳の中を見て赤くなっていないか、嫌なニオイがしないかをチェックしましょう。

また、絹のように細いキャバリアの毛は、きちんとお手入れをしないとすぐに毛玉になってしまいます。こまめにブラッシングして被毛を整え、絡まった毛玉をほぐしてあげてください。

ブラッシングは被毛を美しく保つためだけではなく、被毛と皮膚の健康を保つために必要です。定期的に全身をブラッシングしてあげましょう。

5:定期的な健康診断

人も犬も病気に対しては早期発見・早期治療が大切です。元気そうにしていても年に1回は健康診断を受けて、異常がないかどうかを診てもらいましょう。

特にキャバリアは心臓疾患を患う確率が他の犬より高いため、定期的な健康チェックはかかせません。

健康な場合でも、混合ワクチンを接種するときや、狂犬病予防接種のときなど、年に数回は動物病院を訪れるはず。そのついでに獣医さんに健康診断をお願いすれば、手間がかかりません。

できるだけ健康で長生きしてもらうために、最低でも年に1回の健康診断をおすすめします。

キャバリアのかかりやすい5つの病気についても理解しておこう…

他の小型犬より比較的短命なキャバリアですが、その理由のひとつが病気です。ここではキャバリアがかかりやすいといわれている病気について解説しています。

1:僧帽弁閉鎖不全症

キャバリアの命を脅かす病気として代表的なものが「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓病です。

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が何らかの原因で変形してしまい、血液が逆流して血液の循環不全を起こす病気です。

全犬種にみられる病気ですが、小型犬の発症が多く、特にキャバリアは1歳のときにすでに33%がこの病気を持っているといわれており、4歳以上では60%のキャバリアが発症しています。

僧帽弁閉鎖不全症は進行性の病気のため、経過とともに咳をしたり運動を嫌がったり、息が荒くなったりするなどさまざまな症状が現れます。重度になると突然死してしまうことも…。

内服薬による治療が主体となりますが、定期的に健康診断を受けて早期発見・早期治療を目指しましょう。

参考:かみよし動物病院 

2:短頭種気道症候群

短頭種気道症候群は頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短い犬種にみられる病気で、気管や鼻、喉といった気道が異常に狭い状態になります。

寝ているときや安静にしているときもブーブーといった呼吸音が聞こえたり、ヒューヒューとぜんそくのような音が聞こえたりします。

鼻の短い犬種がかかりやすい病気のため予防は難しいですが、肥満にさせないよう、食事の管理に注意が必要です。おやつをあげたらフードを減らすなど、家族みんなで協力することも大切です。

治療方法は内科療法と外科療法があり、内科療法では症状を緩和するために、酸素を吸入したりステロイド剤で気道の炎症を抑えたりします。

外科療法では、鼻孔の一部を切除する手術が行われますが、高齢より若年の方が改善率が高くなるため、早期に診断してもらう必要があります。

参考:アトム動物病院

3:外耳炎

キャバリアは垂れ耳のため、内部が蒸れて外耳炎になりやすい犬種です。外耳炎とは、耳に汚れがたまったり蒸れたりして炎症を起こしてしまう病気です。

症状はかゆみや赤みですが、首をよく振ったり、後ろ足で耳を引っ掻いたり、耳から異臭がしたりといったことで気づくことがあります。なかにはアレルギーやアトピーから外耳炎を発症することもあります。

治療は外耳を洗浄して汚れをきれいに洗い流し、点耳薬を用いて炎症を抑えます。

キャバリアのような垂れ耳の犬種に多く発症するので、日頃から耳が赤くなっていないか、かゆがっていないかをよく確認しましょう。

参考:よどえ動物病院 

4:白内障

白内障は目のレンズである水晶体が白く濁ってしまう病気のことをいい、重度になると視覚を失います。

白内障は加齢によって発症するケースが多いのですが、キャバリアは遺伝的に白内障を発症しやすいといわれています。これを若年性白内障とよび、2歳以下の年齢でも発症することがあります。

白内障を患っても、初期段階では生活に支障をきたすことはほとんどありません。しかし、白内障は進行性の病気なので、早期発見・早期治療が大切です。また、視覚を失う前に寿命を迎えてしまうこともありますが、治療は外科手術が唯一の治療法のため獣医さんとよく相談することが大切です。

参考:ハート動物病院 

5:脊髄空洞症(キアリ奇形)

脊髄空洞症は、先天性あるいは後天性の原因によって脊髄内に空洞が生じて脳脊髄液がたまってしまい、脊髄を内側から圧迫して脊髄の機能にさまざまな障害が起こる病気です。

キャバリアは先天性の脊柱の奇形である「キアリ奇形」が多いといわれています。

無症状のケースもありますが、軽度の場合は首や胴体をよくひっかいたり、手脚の先をなめたり、触られるのを嫌がったりすることもあります。重度になると、足の麻痺がみられたり、首が曲がったりします。

予防法はなく、鎮痛剤や脳脊髄液産生抑制剤、ステロイドによる内科療法が一般的な治療法ですが、重度の麻痺がある場合は手術を施すことがあります。

参考:みなみ野動物病院 

まとめ

・キャバリアの平均寿命は約9~14歳人間に例えると52歳~72歳
・良質なフードを与え、朝晩のお散歩を習慣に
・こまめなお手入れやブラッシングをおこなって皮膚病予防を
・最低でも年に1回は定期的な健康診断を受けよう
・キャバリアがかかりやすい病気を把握して、早期発見・早期治療に努めよう

キャバリアの平均寿命は他の小型犬より短い9歳~14歳でした。短命の原因は心臓病などの病気です。

僧帽弁閉鎖不全症は、1歳のときにすでに33%がこの病気を持っているといわれており、4歳以上では60%のキャバリアが発症しています。

また、長生きのためには良質なフードを与えること、デンタルケアなどのこまめなお手入れやブラッシングが必須。愛犬の健康を維持するためにも毎日おこないましょう。

キャバリアがかかりやすい病気を把握しておくとともに、早期発見・早期治療が非常に大切です。最低でも年に1度は定期的な健康診断を受けましょう。